ネットワークの整備が望まれている一方で、ネットワークを構築する上で地方公共団体からの国に対する要望も寄せられている。
具体的には、通信基盤整備について、「国に対して情報通信基盤の促進を要望する」、「原則的に通信事業者が整備した基盤を活用するが、地域内の過疎地の通信網、都市部の共同溝等特定の地域に対する整備や通信事業者の整備の支援を行う」という回答をほとんどの地方公共団体がしてきており、国に対して財政面の支援や通信網の地域格差是正などを要望している。
地方公共団体内の課題としては、人的な課題と制度的な課題があげられる。人的な課題については、人数面での要員不足のほかに、マニュアルの整備やノウハウ・スキル等に関する人材育成面での課題がある。総合行政ネットワークの整備に当たっては、運用開始後の地方公共団体の作業負荷を極力減らし、人的な課題を発生させないようにすることが、導入効果を高め、全国展開を容易にすると考えられる。
また、制度的な課題としては、個人情報の保護など情報の秘密性を考慮した場合に現行のネットワーク設備のセキュリティ強化や各地方公共団体内の事務規程等の電子化対応が必要である点などが考えられる。これらについては、総合行政ネットワーク構築時の最大の課題といえるので、現行の制度的な課題を洗い出し、その解決策を検討し、改善しながら段階的なネットワークの利用を進めていくことが望まれる。