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各地方公共団体間の情報交換手段として、まず現在設置している電気通信機器の状況をみると、電話は、どの地方公共団体においても複数台設置されているが、FAXについては、市区町村の業務組織において平均で1台未満であり、共用されていることが推察できる。外部接続されている端末及びパソコンの設置状況については、都道府県ではFAXと同等以上の位置づけであるが、市区町村では、極めて設置台数は少ない。また、業務別で端末及びパソコンの設置状況をみると、外部との情報交換が重視される業務とされない業務という業務特性が反映されている。

今後、総合行政ネットワークを効果的に利用するためには、端末及びパソコン等の情報インフラの整備を積極的に推進することが芝、要と思われる。

(2)情報属性、交換相手、交換手段

次に、各業務の実務において、どのような属性を持った情報を、どこと(交換相手)、どのような手段で交換を行っているかの調査を行った。

都道府県においては、最も多い情報交換相手は市区町村であり、迅速性と簡易性が高い情報を電話と普通郵便を利用して交換している。

市区町村においては、同都道府県内市区町村を中心に、機密性が高い情報を、普通郵便を利用して交換している。市区町村は、異動処理特性の影響度が高い。

総合行政ネットワークは、電話や郵便等と異なる新たな地方公共団体間の情報交換手段である。現在のネットワーク技術の機密性等を高めながら、情報属性及び交換相手によって交換手段を選択しなければならないが、各地方公共団体の情報化政策の観点から、将来を見据えたネットワークの構築が望まれる。

(3)行政文書の作成方法、保存方法

実際に交換される情報の一つとして行政文書に着目し、その文書はどのように作成され、保存されているかの調査を行った。

各団体とも文書は、ワープロやパソコンにより作成しているが、文書の交換・提供後の保存方法は、ほとんど紙媒体によるものである。文書の電子化は、実務的で浄書的な意味合いが強いことがうかがえる。

総合行政ネットワークと行政文書の電子化により情報の共有化、情報交換の迅速化等の効果が期待され、その結果、業務の効率化だけではなく、情報を分析することにより、各地方公共団体の政策立案能力を高めることが可能と考えられる。制度的、習慣的な課題があるが、情報リテラシーの向上をも考慮した業務改善が望まれる。

また、総合行政ネットワークが行政機関おいて有効に機能するためには、情報の提供する側と要求する側とも、情報の分類、整理が必要である。一つの業務本位で情報を管理するのではなく、オープンに情報を共有できるように行政文書を含めた情報管理の標準化を推進することが求められる.

(4)情報交換における重複情報

それでは、外部と交換される情報の中で、複数の相手に重複して交換したものの内容について調査すると、都道府県の12%、市区町村の5%が重複するとの回

 

 

 

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