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●基本的には担当課で起案・作成した文書を稟議・決裁等の手続きを経て公印を押してから文書課(係)に持ち込み発送する。ただし、押印については、事務の効率化のために公印省略が推進されているため、文書の種類によっては公印が省略されることがある。

●文書の発送を文書課(係)を通さずに直接郵便局に持ち込む場合もある。

●文書の発送後、稟議書等の文書は、受け取り文書の流れと同様、最終的に文書課(係)に引き継がれ保存される。

 

1-4 行政文書の交換・提供に関する課題

 

ヒアリングの結果から、行政文書の交換・提供に関して、いくつかの課題が明らかになった。

●行政文書の交換・提供の中で扱われる公文書は紙媒体になっている必要がある。各団体の公文書の定義は条例・規則等により行われているが、その中で紙媒体のみを認める旨の規定が多いようである。このような規定の中では、FAXで受信した電子情報は、紙に印字された時″点で公文書になるが、電子メールで受信した電子情報が、画面で確認された時点では公文書にはなり得ないという不都合が生じる。公文書に関する定義を行っている地方公共団体の条例・規則等を見直し、電子媒体に対応できるようにする必要があると考えられる。

●行政文書の交換・提供の方法として手渡し等の直接的な手段をとる場合、行政文書の交換・提供と同時に行政文書の補足説明等、種々の情報交換が行われているのが実態のようである。このような行政文書の交換・提供に付随する情報交換についてすべて電子化するには、現時点では課題が多い。しかし、情報通信技術の革新により、インターネットTV、TV会議等のマルチメディアシステムの普及が進むことによって将来的には対応可能と考えてよいだろう。

●文書管理規程等では制度上、文書課(係)が、行政文書の収受を一括して行うことになっているが、実務作業上困難であることが多いため、各担当課に行政文書の収受を委任しているようである。このため、ある行政文書の所在確認を迅速に行うことができないという事態が発生する場合がある。文書管理規程等で、意図する行政文書の一元管理を実現する上でも、紙媒体から電子媒体への移行を推進する必要があろう。

 

 

 

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