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第2節 名古屋市におけるハンディターミナル検針システムについて

 

名古屋市水道局

 

2-1 は じ め に

 

水道事業におけるコンピュータの利用は、昭和30年代に技術分野での施設管理業務を皮切りにスタートし、昭和40年代に入ると事務分野においても導入・利用がされるようになりました。

なかでも営業部門での利用は盛んで、昭和40年代には料金計算システムの稼働に始まり、昭和60年代にはオンラインシステムの開発・構築が各都市で相次ぎました。さらに、平成に入るとそのオンラインシステムを高度利用するという展開で、検針業務などにおいてハンディターミナル(携帯情報端末)を利用したシステムの導入が各都市で主流になりつつあります。

本市でも、平成5年3月からの試行を踏まえ、平成8年9月から12月にかけて、全給水区域(件数=約68万戸)へのハンディターミナル検針システムの導入を実施しましたので、ここにシステムの概要と運用上の問題点などを紹介させていただきます。

 

2-2 導入までの経緯

 

本市では、オンラインシステム導入時(平成3年1月)に、従来の「点検簿」という簿冊で検針し、そのデータをパンチャーが手作業で入力するパンチ方式から、「点検カード」をOCR装置(光学文字読取装置)で読み取らせるOCR方式へと検針入力システムを変更し、検針業務の効率化を図りました。

しかしながら、このシステムでも?@点検カードの作成及び業務所(本市では16区に営業窓口として業務所を設置している。)への配送業務、?A検針時までのデータ異動分を点検カードに差し替える作業、?B検針指針のOCR読込カードへの転記作業など、まだまだ問題点・改善点が多い状況でした。

これらを解決する方法として、多くの企業・地方公共団体等で導入され始めたハンディターミナルについて、本市でもオンラインシステム構築と併せて導入を検討した経緯はありましたが、当時(昭和63年頃)のハンディターミナルは、?@プリント速度が遅い、?A機器が重い、?B操作が複雑である、?Cメモリー容量が小さい、?Dデータのバックアップ機能がないなど問題点が多く、本市での検針業務の円滑な遂行は無理と判断し、導入を見合わせました。

 

 

 

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