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「システムを使用してどんな点が良かったか」という間に対しては、やはり

携帯情報端末の長所である「素早く競技結果がわかる」(11件)、「どこにいても結果を知ることができる」(17件)という回答が多かったが、簡易なブラウザを作成したためか「操作が簡単」(10件)という回答も多くあった。

「システムのどんな点が不満でしたか」という問に対しては、当初心配していた「通信がなかなかつながらない」(10件)、「通信速度が遅い」(17件)という携帯電話の通信エリア、通信速度に依存する部分の問題が多くあがっている。通信エリア内でも競技会場によっては半地下で密閉性の高い施設も多く、電波が弱く不具合のでることが多かったのかもしれない。また、携帯情報端末の「画面が見づらい」(12件)との指摘も多くあったが、これは端末の小型化、軽量化とのかねあいがあり難しい問題であろう。「その他」では「情報の入力をもっと早くできないか」、「都道府県別に情報検索ができないか」といったシステム本来の改善にかかわる指摘もあった。

最後に、「次回もこのようなシステムを利用したいか」という問に対しては、38県中26県が「是非利用したい」と回答している。こういった最新機器を利用しての競技記録速報サービスに寄せる期待が多いことを表している。

 

1-6 まとめ(今後の展望について)

 

競技記録の情報提供に、ようやく普及しはじめたばかりの携帯情報端末を導入することには当初不安があったが、実際に使用してみると、思っていたより操作も簡単で、使いやすいものであることがわかった。ただし、通信が電波によるものであるため、通信速度が遅い、地域・気象条件により影響されやすい等、今後の情報通信機器、通信網の発達に期待する部分も多くあると言える。

いずれにしても、今回の「なみはや国体競技記録システム」での携帯情報端末の導入は、競技結果の提供サービスの一つとして、各都道府県本部が必要とする情報を、いつでも、どこにいても、いち早く入手できる環境を提供するという点に主眼を置いたものであり、その面では充分な成果をあげることができた。

より機能的で魅力的な機器の開発、インターネットをはじめとする通信網の整備と利用コストの低減化により、今後、行政の分野においても携帯情報端末の様々な活用が図られると思われるが、「なみはや国体」での携帯情報端末の導入が、その参考として役立てば幸いである。

 

 

 

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