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これらの条件を「ひろしま国体」が行ったリモート端末に当てはめて考えると、47都道府県の宿舎に設置するためには多額の経費を要すること、情報照会のためには部屋に常駐又は戻る必要があることなど経費、利便性の点で問題が残るため、新たな情報提供手段を検討する必要が生じた。

国体局で検討を続けていた平成8年の暮れに、記録業務の一部を委託しているNTT(株)関西支社から、最近話題の携帯情報端末を利用してみてはという提案があり、コスト、技術の両面から検討を進めていたところ、同社を通じてセイコーインスツルメンツ(株)より、携帯情報端末の無償貸与及び技術協力の申し出があったので、導入に向けての本格的な準備作業に入ることとなった。

 

1-4 「なみはや国体競技記録速報システム」の構築

 

構築作業を進めていくなかで、いくつかのハードルを越えていく必要があった。今回のシステム構築には、国体局とNTT(株)以外にも、セイコーインスツルメンツ(株)、(株)富士通システムエンジニアリング(O-NET24ホストの維持管理委託業者)、府情報政策課が関係しているため、互いの連携、協力の基に作業を進めていく必要があった。以下主に検討した事項をあげると

(1)携帯情報端末機器の画面サイズ(640×240ドット)で、できるだけ見やす

く競技結果が表示できること。

(2)必要とする競技結果をできるだけ速く取り出せること。

(3)操作が簡単で、誰でも扱えること。

(4)どこにいても競技結果を見ることができること。

(5)通信にかかる経費負担が大きくならないこと。

等である。

画面表示に関しては、携帯情報端末を含め、様々な端末機器及びブラウザから利用されることを想定し、画面分割など凝ったことはせず簡易なものとし、漢字コードについても文字化けしないように機種固有の文字を代替文字に変更した。 トーナメント表については、印刷されたものをスキャナで読み取り画像データとして扱ったため、携帯情報端末の限られた画面ではっきりと表示するためには、スキャナでの取り込みの設定を工夫する必要があった。また画面の階調や画像のデータサイズなどにも気を配った。

競技記録の取り込みの速さを左右するハード的な要素としては、携帯電話のデータ通信速度、携帯情報端末の性能、接続先プロバイダの規模、対応等が考えられる。インターネットの接続先としては、自前で設備を用意すると費用が高くなること、府内全域から利用できることからOCNを採用した。携帯電話の機種の選定については、通信エリアの問題や経費的な面も合わせて検討しな

 

 

 

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