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2-2 ICカードとの併用

 

現在、ICカードの利用が様々な形で進んでいる。民間においては、現金決済用や、入室管理によるセキュリティ対策用などに利用されているが、地方公共団体におけるICカードの利用の事例も多くなってきている。特に、医療・福祉業務分野において、高齢者・障害者などを対象に、ICカードを発行している地方公共団体が増加してきている。このような普及状況からみて、ICカードと携帯情報ツールとの連携を図ることは、地方公共団体にとつて行政情報システムの効率的な運用を実現する一助になると考えられる。

 

2-3 地理情報システム(GIS)との連携

 

GISは、庁内複数部署において利用可能で応用範囲が広い。固定資産・都市計画・道路管理・上水道管理を始めとし、防災・福祉・農政業務分野に至るまで、すでに導入実績が見受けられる。また、データの検索・表示・解析などが容易に行え操作性が高い。図形データに、数値・文字・画像などの属性データが参照情報として対応付けられており、地図上の事物をクリックするだけで、関連データがすぐに表示される。携帯情報ツールとGISとの連携は、行政情報通信システムの効率的な運用を促進する上で、今後主要な検討課題となろう。

GISでは、庁内において利用価値の高いデータを、複数部署で共用するケースが多い。例えば、庁内の複数部署においてニーズの高い、土地・家屋関連や道路・行政界関連データを、コアデータとして部署間において共用していることが一般的である。従って、これらの共用データを、携帯情報ツールに取込み活用していくことは、第一義に重要なことと考えられる。また、さらに、GPSとの併用により、携帯情報ツールの画面上で、現在位置の確認を行うことなどもメリットが大きい。

携帯情報ツールと庁内GISとの連携を図るには、空間データ自体とそれを処理するソフトを蓄積できるだけの、充分なメモリーのある携帯情報ツールが必要となる。画面に関しても、地図情報を表示するため、充分に大きなサイズが必要となり、カラー表示が望ましい。以上を加味すると、高機能パソコンクラスが相応しいと考えられるが、屋外での利用が想定されるため、既成品の耐久性を強化したモデルを活用することがポイントとなろう。また、庁外から無線通信により空間データを取込む場合、庁内に独立したGIS管理サーバーを設置することが要求される。

空間データ処理用のソフトは、メモリーをあまり必要としないものが望まれる。しかし、既製品では該当するソフトを探すことが難しい現状であり、GIS納入業者と、独自のソフト開発を進める必要があろう。

 

 

 

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