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1-6 携帯情報ツールの選定

 

携帯情報ツールを選定する場合には、これまで述べてきた留意点を参考にしつつ、必要な機能や性能、周辺機器機能を洗い出し、対象となる業務に最も適した機種を選択しなければならない。ここでは、選定にあたり配慮すべき特別仕様の存在と、選定後に新たに必要となるアップグレードの在り方について簡単に触れ、続いて携帯情報ツール選定のポイントについて記述する。

 

(1)特別仕様への配慮

作業を行う環境や、求められる機能などによっては、市販の機器あるいはその組み合わせでは要求を満たさない場合がある。例えば、寒冷地仕様のPDA、劣悪な屋外作業環境用のペンパソコン、さらに災害時には機能性や機動性が求められることから、PHS・デジタルカメラ・GPS受信機が一体となったノートパソコンが必要になるなど、現時点では市販されているものがない機器は、メーカーへの特別注文にならざるを得ない。

市販の機器の組み合わせで、必要となる情報システムを構築できれば、最もコストの低減化が図られる。しかし、特別注文せざるを得ないような場合では、特別仕様を採用する効果と費用を対比して、適切なトレードオフを実現することが望まれる。また、要求する仕様によっては、特別注文が可能かどうかという観点からも、早い段階から検討を加えることが必要となろう。

 

(2)携帯情報ツールの段階的アップグレード

携帯情報ツールの技術進歩には著しいものがあり、コストパフォーマンスに優れた機器が次々に出荷されている。このため、一時期にすべての機器を購入してしまうと、その後に出荷される、よりコストパフォーマンスに優れた機器を採用できずに、陳腐化してしまうケースが発生している。

このような機器の陳腐化に対応する手段として、一度にすべての携帯情報ツールを購入するのではなく、少しずつ段階的に新機種へ切替えていく方法がある。さらに、作業の効率化などのメリットが明らかな場合では、ある程度リースの残存期間や利用予定期間にこだわらず、現行利用されている携帯情報ツールに加えて、柔軟に、新製品を導入していくことが望まれる。特に、携帯情報ツールは低価格化していく傾向にあるため、段階的に新製品を導入する余地が充分にでてくるものと想定される。

 

 

 

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