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(4)研修プログラム・ヘルプデスクの設置

携帯情報ツールの円滑な利用のために肝要となるのは、機器のトラブル対応と教育研修制度の確立である。この点に関しては、運用計画段階から充分な計画や対応策を練る必要がある。

携帯情報ツールの利用時に想定されるトラブルとしては、操作不良/機器の破損/バグによる不具合などが想定されるが、中でも、携帯情報端末のトラブルの発生率が高くなっている。従って、作業現場で想定される様々な状況を把握し、どのようなトラブルが発生するかを予測した上で、納入業者を含めた適切なメンテナンス体制を敷くことが肝要である。さらに、利用者が気軽にいつでも相談できるヘルプデスクを、庁内あるいは外部に常設しておくことは、非常に効果があると思われる。

また、携帯情報ツールを始めて利用する人には、利用の前に、情報システムに対するリテラシーレベルに合わせた、柔軟な研修プログラムを用意することが望まれる。

 

(5)運用後のフィードバック

運用後のフィードバックを適切に実施することは、携帯情報ツールを長期にわたって活用をする上で重要となる。すでに携帯情報ツールを活用している多くの地方公共団体では、新たに発生してくる改善要求などに対処し、作業効率の向上を図っている。なお、これらの改善要求などに適切に対処するためには、システムの仕様変更から、場合によっては携帯情報ツールのアップグレードをも含め、計画的に取り組むことが望まれる。

例えば、システム開発の着手時に採用決定した携帯情報ツールやその機能が、実際の運用時に必ずしも最適なものとなる保証はない。それは、業務自体の変化や、携帯情報ツールの技術進展、開発時に想定されなかった利用上の問題が運用時に発覚するなどが考えられる。

また、運用開始直後には、効率的であった携帯情報ツールも、時の流れとともに、新しい技術や製品が登場し、陳腐化する事態も想定される。このような場合は、費用対効果の見込めるタイミングで積極的に新技術や新製品を採用し、更なる活用を見出すことも重要である。従って、その時々の技術や製品を見定め、積極的にシステムへ組み入れていく仕組みの整備が望まれる。

 

 

 

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