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2-7 医薬品業界

 

医薬品業界では、メーカー・卸業者・小売店舗を結んだ、受発注システムのオンライン化が早い時機から進められ、POS端末やハンディーターミナルを利用した在庫・受発注管理などで、かなり普遍的に使われている。

1990年代には、営業部員が携帯情報ツールを利用して、小売店・医師・薬剤師などへ情報を提供したり、営業部員自身に対して情報を提供することによるコンサルティング活動支援などができるようになった。ある製薬会社では、医薬品に関するデータや症例報告、学術文献などの各種情報を、訪問先でノートパソコンを用いて検索できるシステムを構築しており、顧客に対する情報提供やコンサルティングなどで効果をあげている。

 

2-8 病院

 

病院では、入院患者に対する看護支援システムの中で、携帯情報ツールが活用されている。1990年代初めに厚生省プロジェクトで、全国の国立病院を対象に、看護支援のためのモバイルシステムの実現を試みたが、当時は携帯情報端末が今ほど使いやすいものではなかったため、普及するには至らなかった。しかし、1996〜1997年にかけて、主にPDAを用いた看護支援システムの活用事例が、民間病院/公立病院を問わず増加している。

看護支援システムの利用形態については、民間病院/公立病院の差は特になく、看護婦が、あらかじめ患者に対する治療などの指示情報が入力されたPDAを携帯して担当の患者をまわり、PDAの指示どおりに処方し、体温・脈拍数などと患者の様子などを、逐次PDAへ入力する流れとなっている。さらに、入力された患者情報は、回診後にコンピュータへアップロードされ、適宜必要なレポートを作成するなどで利用されている。

 

 

 

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