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2-5 メンテナンス業界

 

情報通信関連機器やビル設備関係などを保守対象とするメンテナンス業界では、携帯情報ツールの活用も盛んである。この業界では、コンピュータ・コピー機・エレベータ・空調などのOA機器や、ビル設備の定期点検・出張修理などを実施する際に、携帯情報ツールを用いて必要な顧客情報や点検・修理のための手順などを参照し、作業の効率化に役立てている。また、携帯情報端末を技術マニュアルの替りに利用したり、本社のコンピュータに携帯通信機器を介してアクセスし、必要な情報を取り出す場合などで利用されている。さらに、定期点検・修理の完了報告まで、携帯情報ツールを用いて出先から送信させるケースもある。

また、ガス関連では、ガス漏れなどの緊急時に、移動中の車両に対して事故現場周辺の地図イメージや事故状況を直接送信するなど、迅速な事故復旧の一助として、ノートパノコンと携帯通信機器を活用している。さらに、最近では、緊急時のメンテナンス車両に対するナビゲーター機能を補強するために、携帯情報ツールにGPS機能を組み合わせたシステムの試作が進められているところがあり、メンテナンス業界における携帯情報ツールの活用は更に拡大すると思われる。

 

2-6 金融業界

 

金融業界では、訪問型の営業活動は限られているため、保険業界ほど全社的に携帯情報ツールが活用されているわけではない。その中でも証券業界では、営業部員が訪問先で、携帯通信機器でオフィスのコンピュータと接続し、刻々と変化する金融商品情報や株価情報を、携帯情報端末に表示させるなどして、顧客と交渉する際に活用しているケースがある。また、顧客にPDAやノートパソコンを貸し出して、顧客自身が携帯情報ツールで株価情報などを検索し、株の発注を行う例もある。

今後、一般家庭でのパソコン普及率が高まった場合には、テレホンバンキングなどのように、顧客自身が自宅のパソコンから直接情報を検索したり、株購入なども行う方向に向かうと思われる。しかし当面は、営業部員の情報武装あるいは顧客への貸し出しのために、携帯情報ツールの利用は拡大していくものと考えられる。

 

 

 

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