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第2節 地方公共団体における携帯情報ツール活用の意義

 

2-1 携帯情報ツールに期待できる効果

 

地方公共団体が携帯情報ツールの活用を検討するにあたり、念頭に置くべき2つの大きな効果がある。まず、携帯情報ツールの活用により、時間や空間といった制約条件から、情報処理あるいは情報通信処理を開放することが挙げられる。そして、文字・画像・イメージ・音声など、マルチメディアによる情報通信処理が手軽に行えるようになることも大きな効果である。こうした携帯情報ツールならではの効果創出により、地方公共団体では、情報処理手段の選択肢の幅を大きく広げることができよう。

以下、参考までに携帯情報ツールに期待できる効果を例示的に述べる。

 

(1)時間的・空間的な制約からの開放

?@Anywhere Anytime(24時間どこでも)な情報の受発信を行う

?A空間的に離れた複数庁舎間で業務の連携を図る

?B災害発生時などに、現場の緊急作業員・移動中の意思決定者を含め、バーチャルな緊急組織体制を敷く

?C庁内にいる担当者が緊急に必要となった庁外作業の経過報告を、現場から即時送信する

?D庁外を移動中の職員間で、必要となった電子ファイルを交換する

 

(2)マルチメディアによる情報通信処理

?@文字・数値では表現しきれない災害現場状況を写真画像により伝達する

?A新設したばかりの施設のデジタルカラー写真を、現場から行政ホームページ作成者に送付する

?B移動車両内において、地図情報を使った現在位置確認を行う

?C快方に向かっている入院患者の生き生きした様子を、動画・音声情報として記録し、インターネット経由で家族に伝送する

 

2-2 携帯情報ツールの活用を検討する意義

 

携帯情報ツールはその特性を生かし、現場作業の実施から意思決定過程に至るまで、地方公共団体の幅広い業務を支援するツールとして応用可能である。そして、特に庁外業務に関しては、携帯情報ツールの機動力を活用して、情報発信基地を柔軟に設置していくなどの可能性についても、検討していく意義があろう。

 

 

 

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