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(1)新たなサービス形態の創出

携帯情報ツールの利用による行政業務の情報化は、定型の業務分野のみならず、非定型業務分野にも応用が可能であり、特に多様化する住民サービスの分野では、庁外における新たなサービスの提供にも結びつく可能性も高い。

例えば、市町村においては、住民記録・地方税の賦課徴収などの大量定型業務から、都市計画・教育・医療等の政策的配慮を必要とする事務に至るまで、携帯情報ツールの活用を検討することが可能である。

今後、地方公共団体の業務において、応用範囲に広がりのある携帯情報ツールの活用方策を検討していくことは、定型・非定型の違いを超えて、必要となる業務分野における適切な情報化を推進していく上で、大きな意義のあることと考えられる。

 

(2)経済的・業務的にスリム化が可能

多様化する行政需要と厳しい財政状況という近年における環境下では、業務の効率的な遂行により、幅広い住民ニーズに対応していくことが求められる。

特に、庁外作業が拡大しつつある業務分野においては、正確かつ迅速さが求められる庁外作業の実施から、その結果を個々の政策や統括的な事業展開に反映させる意思決定に至るまでの過程を、業務フローのスリム化と業務内容の充実化を踏まえた上で、費用対効果の大きい手段で進めていく必要がある。

この点においても、操作が簡単で手軽に持ち運びでき、価格単価も比較的低い携帯型情報ツールの活用を検討していくことは、経済的あるいは業務的にも意義のあることと思われる。

 

(3)柔軟な情報収集と情報発信

地方公共団体による地域に密着した生の情報の収集と発信は、信頼性や公益性の上からも好ましいことである。

特に、災害が発生した際に行政の果たす役割は、災害現場での情報収集や情報発信の面においても、極めて大きいと考えられる。携帯情報ツールは、現場における第一次データの収集・通信面で、情報発信基地としての機能を充分に補完することができる極めて有効な手段となりうる。

このように、機動的な行政機能を要求される分野において、携帯情報ツールの特性をフルに生かせる活用方策を検討していくことは、今後ますます重要になると考えられる。

 

 

 

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