第1章 地方公共団体と携帯情報ツールの活用
第1節 携帯情報ツールの利用概念
地方公共団体では、庁内各部署での情報処理機器の導入を推進するとともに、部署間での有線LANによるネットワーク環境を実現し、デジタルデータベースによる庁内情報の共用化を実現しつつある。早くから情報化を進めてきた先進地方公共団体では、さらに次のステップとして、携帯情報ツールを活用して、庁内外での作業にもデジタルデータによる情報処理化を応用していこうとしている。
1-1 時間と空間からの開放
携帯情報ツールとは、一般的に、携帯情報端末・携帯通信機器・携帯型周辺機器等を指す。この携帯情報ツールを利用するということは、外出先あるいは移動中においても、データの入出力や計算などの「情報処理」を行えるということである。このため、従来型の建物内に固定されたシステムでは実現できない、時間的あるいは空間的に柔軟性を持った、情報通信システムを構築することができるのである。
しかしその一方で、在宅勤務やSOHO(Small Office Home Office)など、有線系ネットワークの利用を中心として実現するものとも異なり、携帯情報ツールとは、基本的に移動中での業務を支援するものである。