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第3章 メタノール燃料着色剤の調査研究

 

第1章及び2章の調査結果をベースとして、今後どのようにしてメタノール燃料着色剤を調査研究するかについて、その調査フローを示すとともに、着色剤の市場等の現状を調査し、今後の調査計画について検討する。

 

3.1 調査研究フロー

 

(1)考え方

メタノール燃料着色剤については、欧米においてその使用事例がほとんど無く、わが国が世界で最初であり、先鞭をつけることになる。したがって、自動車エンジン等に及ばす影響調査は勿論のこと、排出ガスが人身に与える影響等(PL法を視野に入れた)安全性に関する調査は徹底を期す必要がある。

また、石油系の自動車燃料に比較して、メタノール燃料の市場は零細であり、極めて未成熟であることが明らかとなった。したがって、燃料コストの上昇等により成長過程にあるメタノール自動車の普及が阻害されることになれば、市場は急速に減退し、今後のエネルギー問題及び環境問題の解決に重大な影響を及ぼすことになるので、慎重かつ万全を期して本調査研究を進める必要がある。

(2) 自動車燃料用メタノールの着色調査研究フロー

すでに、これまで実施してきた文献調査結果等から、その調査フローを図3-1に示す通り進めることとした。

まず現在、市場に流通している着色剤(メタノールに可溶な染料)のうち、最適のものを選定することが必要である。それと同時に、メタノール燃料市場における着色メタノールの供給システムを構築し、そのコスト上昇要因等を分析して、ユーザー等への影響を最小限とする方策の検討を含めた前提条件を整備する必要があろう。

 

3.2 メタノール燃料着色剤の要求性能

 

(1) 要求性能

まず、メタノール燃料の着色剤としてどのような性能が必要であるかを設定し、それに合致した着色剤の選定を行っていく必要がある。一般に市販されている着色剤(染料)は、主として衣類の染色を目的として開発

 

 

 

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