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平成8年10月から平成9年3月までのメタノール燃料使用量は約900トンであり、年間ではメタノール燃料需要量は約1800トンと推定される。これは、わが国の年間メタノール需要量約200万トンの0.09%程度に過ぎず、メタノール燃料の市場(マーケット)は未成熟の状態であるといえよう。

 

(2)燃料供給システム

わが国のメタノールは、大部分を海外からの輸入に依存している。これらの海外の供給基地から、化学用メタノールを3万トン程度のケミカル・タンカーで海上輸送し、国内の輸入(一次受入)基地に貯蔵する。

 

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海外の供給基地としては、中東、ニュージーランド、マレーシア等に分散しており石油系燃料に比較すると中東依存度は低い。

これらの貯蔵された化学用メタノールのうちのごく一部が、燃料用として供給されるわけであるが、メタノール燃料の約90%はタンク・ローリーで地下式スタンドへ陸上輸送され、スタンドからメタノール車へ給油される。

残りのメタノール燃料約10%は、タンク・ローリーまたはバージ(平水タンカー)で、出荷基地へ輸送され、ドラム缶に充填されたのち簡易スタンドへ供給される。

現在のメタノール燃料供給システムは、あくまでも化学用メタノール供給システムのごく一部を利用しているにすぎない。また、石油系燃料の供給システムに比較すると、タンカーの大きさ及び受入れ基地等のいずれを比較しても規模が小さく、規模のメリットを生かせない状況にある。

 

 

 

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