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第2節 地域間移動と職業経歴

 

1. 転職経験者の地域間移動の経験

 

ここでは調査対象者の中から新卒者を除く転職経験者169名に対象を絞って、地域間移動の経験と、職業経歴について分析する。まず、転職経験者が今まで働いていた地域について複数回答で質問した結果が図表4-4である。全体でみると、最も多いのは、「3大都市圏(首都圏・名古屋圏、大阪圏)」であり、全体の66.9%がこうした大都市圏で働いた経験を持っている。次いで、地元である「現在の居住地及び周辺地域」の33.7%が多く、地元以外の「現在の居住地以外の都道府県」で働いた経験のある者は、20.7%と低い数値にとどまる。

 

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これを現在の勤務先の業種別にみると、サービス産業ならびに、製造業で大都市で仕事をした経験のある者の比率が高く、逆に土木・建設や卸・商社・小売等では現在の居住地域及び周辺地域で働いた経験のある者の比率が高い。前者の場合、地方では、Uターン者の大きな受け皿産業であると考えられ、後者の場合、労働市場が比較的地域に閉じている、いわば「地元密着型」の労働市場が形成されていることが予想される。
現在の勤務先の従業員規模別にみても規模の大小によって大きな差はみられない。
2.直前に働いていた地域
さらに条件を直前の仕事に限定して、転職の実態を追ってみよう。図4-5をみると、転職

 

 

 

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