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任用 任命権 従前はすべての任命権を人事委員会が有していたが、現在は、上位のポストを除き、各省庁グループ、各ランクごとに関係省庁の次官や幹部職員により構成される人事審査会に任命権が委譲されている。 任命権は、公務員の種類により、採用を実施するそれぞれの人事委員会に属している。但し、連邦一般職員のうち補佐職グループの一部については、各省庁の各局に任命権が委譲されている。 任命権は、各機関の長が有する。
「資格基準」(qualification standards)(学歴、研修及び経験、採用試験の合格者であること、身体的適性などの最低限の資格を官職の区分ごとに定めたもの。)を基本として、採用及び昇任、研修などを運用。
採用

・職群ごとに、空席に応じて採用が行われる。筆記試験が行われる職群は少なく、応募書類による書面審査及び面接に基づく選考が一般的。

・政府奨学金を受けて大学に進学した者は、5年〜8年公務に従事することが義務づけられている。

・条件付き採用期間は通常1年となっている。

職種ごとに、空席に応じて採用が行われる。採用は、書類審査及び面接、そして行政外交職等一部の職種については筆記試験の成績も考慮して選考する。 採用
・公開の競争試験。
・条件付採用期間は6月。
昇任

・昇任とは属する職群の上位のグレードに上がることを意味する。

・昇任に際しては、職員の勤務成績、潜在能力、勤務年数、上位ポストの空席状況が考慮される。

昇任とは属する職種の上位のグレードに上がることを意味する。ポストに空席ができた場合に行われる。省庁・局内異動職種については各省庁・局内部に、また省庁間異動が行われる職種については公務員庁に、それぞれ昇任委員会が組織され、委員による面接、勤務評定、研修における成績等を考慮し決定される。なお、トップ管理職グループの昇任は、官房総長、公務員庁長官、大蔵省事務次官から構成される昇任委員会が審査を行う。

・各機関に選考委員会を設置して、昇任候補者を機関の長に推薦。

・勤務年数の長い者(next-in-rank)が優先。

・昇任に際しては、次の要素が考慮される。
勤務実績、学歴及び研修、経験及び顕著な業績、身体的特性及び人柄、潜在能力など。

出向・配置換え

・異動は同一職群内で行われ、職群を越える異動は稀。

・行政職群などの一部の職群は省庁を越えて異動が行われるが、他の職群では原則として同一省庁内で異動する。

原則として同一の職種の内で行われる。多くの職種では省庁間異動は稀であるが、行政外交職等一部の職種は、省庁間異動が行われ、また、州政府、準政府機関等への出向もある。  
定年 原則60歳。65歳まで再雇用が可能。 55歳。但し40歳から早期定年退職を選択できる。 65歳(強制退職年齢)。
研修

・公務員局の下にある公務員大学校に、主に幹部職員候補者のための研修を行う政策開発研修所と技術研修を中心に行う行政管理研修所が置かれている。

・年間2400人を超える職員が研修を受けている。

・行政管理研修所の研修は有料となっている。

・幹部候補職員である行政職群については、新規採用直後2年間は見習い研修として、いくつかのポストを経験したり、海外研修などを受講する。

公務員庁の下にある公務員研修所において、連邦政府職員、州政府職員、公営企業職員等年間2500人を超える職員を対象に、管理者養成、コンピューター、語学、会計業務、国際関係・外交研究等の研修を行っている。また、幹部候補生である行政外交職は、新規採用後個々のポストに配属される前に、約11ヶ月間の研修を受講する。

1)人事委員会の研修プログラム
監査者開発コース、指導者研修、研修評価コースなど

2)各機関の研修プログラム
オリエンテーション/再オリエンテーション、能力開発、専門・技術能力の向上、監督能力、管理職の能力開発など。

3)外国からの資金(ODA)による研修プログラム(国家経済開発庁(NEDA)が所管。)

・海外・国内の研修コースへの参加(1994年度:公務914名、民間194名が参加)

4)フィリピン政府によるスカラーシップ(人事委員会が所管。)

・大学院レベルの研究への参加(1993/1994年度:363名が参加)

 

 

 

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