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2 公務員制度の概要


区 分 シンガポール
公務員の範囲・分類 ・公務員は軍人、文民、法務官、警察官の4つに分類。軍人を除く、公務員の数は約6万人となっている(総人口299万人に対する割合は2.0%)。シンガポールには地方自治制度がなく、公務員はすべて中央政府に所属する。

・文民は、その採用資格に応じて、Division?T〜?Wに分類され、上位のポストはDivision?Tに格付けされる。また、職種ごとに職群(Scheme of Service)が存在し、キャリアデベロップメント、給与等は職群ごとに決まっている。
中央人事行政機関とその権限

1.人事委員会(Public Service Commission)

憲法上の機関で、6名以上15名以下の委員により構成される。職員の採用を始めとする任用、懲戒及び政府奨学金を所管する。事務局は書記長を長として、約80名の職員を有している。法務官、警察官、教育職については、本人事委員会とは別にそれぞれ同様の事務を所掌する人事委員会がある。

2.公務員局(Public Service Division)

総理府の下に置かれている。給与等の勤務条件、研修、人事情報システム、高学歴者の結婚斡旋等を担当する。公務員局の長は事務次官となっている。



区 分 マレーシア
公務員の範囲・分類

公務員は防衛職員、司法・法律職員、連邦一般職員、警察職員、鉄道職員、各州政府職員、教育職員からなる。防衛職員・警察職員を除く公務員の数は約68万人で、このうち連邦政府職員は43万人となっている。

連邦一般職員は採用資格に応じ、トップ管理職グループ、管理職・専門家グループ、補佐職グループに分類される。また、連邦政府には286の職種があり、キャリアデベロップメント、給与等は職種ごとに決定される。

中央人事行政機関とその権限

1.連邦人事委員会(Public Service Commission)

憲法上の機関で5名以上30名未満の委員から構成される。連邦一般職員の採用と服務に関する事務を行っている。事務局は次官以下約700人の職員を有している。なお、防衛職員、司法・法律職員、警察職員、各州政府職員、教育職員について同様の事務を所掌する人事委員会が本委員会とは別にそれぞれ設置されている。

2.公務員庁(Public Service Department)

総理府の下に置かれている。全ての公務員についての給与その他勤務条件、任用、定員と組織、研修等人事管理に関する政策の立案及び実施を担当している。庁の長として長官が置かれており、約2200人の職員が勤務している。



区 分 フィリピン
公務員の範囲・分類

公務・・・・
政府の全ての部門(国、地方、公共企業体)が対象。

根拠法令・・・・
憲法、1987年行政コードをはじめ、多くの公務員関係の法令がある。

公務員数・・・・
約133万人(国65%、地方24%、公共企業体11%)

官職・・・・
次に大別される。

1)終身職(caree)・・・・
競争試験により採用される者。具体的には、職務の段階に応じ、次の3つのレベルとされる。

・第1レベル
非管理的職務で4年未満の大学教育を必要(書記など)
・第2レベル
非管理的職務で4年以上の大学教育を必要(課長までの専門的、技術的及び科学的な職務)
・第3レベル
高級管理職(CES)(事務次官、次官補及び局長など)

2)非終身職(non-career)・・・・
次に掲げる競争試験によらないもの。任期は法律によって制限される。
公選によるもの、閣僚、事務次官、憲法上の委員会の委員長、1年を超えない特別な契約による者、緊急・臨時・季節従事者

官職の分類・・・・
職務と責任に応じて分類される。現在19の職群、204の職列、2,484の職級がある。

(例)行政事務職の職群・・・?T〜?Xまでの5区分(職級)
   外交事務職の職群・・・クラス?T〜?Wまでの4区分(職級)

任用形態・・・・
恒久的、一時的、暫定的、契約、臨時、季節又は緊急のいずれかによる。

中央人事行政機関とその権限 人事委員会(CSC)
憲法上の委員会として、人事政策の策定、募集及び配置、研修及び能力開発、懲戒、人事記録などを所管し、必要な規則を定める。
職員数は1、350名で、ケソンの本部の他、地方に14、州に74、その他の出張所として23の下部組織を有している。
予算管理省(DMB)
官職の分類、給与を所管

 

 

 

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