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は県側は慎重に対応しているという回答を得た。同じ委任事務であってもこのように一部の事務については県に裁量の余地があり、事務・権限の分担の曖昧さという問題は残っていると考えられる。なお権限分担はあくまでもグミナ側からの「イニシアチブ」を前提とするものであり、県が一律に権限を上からおろすわけではないということを県の担当者は強調していた。

県知事に対する諮問・勧告の機関としての県議会については、スキェルニェヴィッツェの場合各グミナの評議会から1〜3名ずつ選出された48名の議員から構成される。議会には予算を管轄する管理委員会の他、農業・道路・法律財政・教育青年・環境保全・医療・経済振興の各委員会が設置され、委員会の活動の調整や予算執行に関しては、議会の事務局がこれを行っている。県議会の書記局長は県議会の機能として、グミナの相互協議によるグミナの問題の「自主管理機関」的な側面を強調し、県知事や中央の介入を防ぎグミナの自立性を守るための役割を果たしているという位置づけを与えていた。

ウ 県が抱える問題

スキェルニェヴィッツェ県の担当者は財政的な問題と、その背景にある法律面での制度不備の問題を強調していた。先にも述べたように、現在の制度では県が独自に持つ予算というのは存在せず、国家予算の中で県の財政も処理されている。そのため中央で決められた予算に県の側で仕事をあわせなければならず、県の側で必要とされる企画を予算のために放棄しなければならないという、先にウォリッチが指摘したような事態も生じているという。特に現在、医療予算の不足は深刻であるとされる。

 

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