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東欧諸国の観点から眺めることにより、日本の制度についての違った像が現れてくると思われる。

それらがどのようなものであり、わが国の地方制度改革においてそれらをいかに考慮すべきか、についての検討はこれからの課題であるが、この調査研究によって得られた成果が、わが国の地方制度改革を考える上で、役に立つことは間違いないであろう。

第3の意義は、今日、世界の大国となった日本が、国際貢献の一環として、体制移行諸国に対する援助を行う場合の、相手国についての基礎的な情報の収集である。

現在、体制移行諸国は数多くの課題に直面しており、それらを解決しつつ民主主義をわがものとするため、自国はもとより先進諸国や国際機関からの援助を必要としている。援助には、もちろん物的、金銭的援助もあるが、援助された金銭や物品を有効に用いて貧困を脱し、国民生活を向上させるための、さらにはより広い意味で社会を発展させ、国民福祉を実現させるためのノウハウこそ最も必要とされている援助の内容であろう。このようなノウハウは、先進国が自らの発展の過程で形成してきたものであり、体制移行諸国は、先進諸国の経験に学び、先進諸国が開発し改良を加えてきたシステムや制度を導入することによって、自身の発展を図る必要がある。ただし、先進諸国のノウハウやシステムの多くは、それら先進諸国独自の土壌で生まれ育ってきたものであって、しばしば指摘されているように、そのまま異なる体制移行諸国の土壌に移植してもうまく育っとはかぎらない。したがって、体制移行諸国の土壌に根付かせて、着実に育てていくためにまず必要なことは、体制移行諸国の土壌をよく分析して移植するシステムや制度との適合性を調べ、相手国の土壌に適したシステムや制度を教示すること、つまり、土壌にあったシステムの改良を行うことが大切である。

3 調査方法および対象国

本調査研究は、別掲の学識者および行政の実務家を委員として、その委員による委員会での討議と、現地調査をもとに今年度はロシア連邦およびポーランドの地方制度について検討を進めたものである。委員会では、それぞれの国の制度概要の報告を受け、多角的な視点から制度の把握および現地調査で確認しなければならない事項を討議し、その上で、海外調査を実施し、新たな情報の入手および不足を補う形式を採用している。

調査の基本的な内容については、◎当該国の社会経済状況、◎中央政府の概要、◎地方行政制度、◎地方税財政制度、◎地方公務員制度とし、可能な範囲で盛り込むことに心がけているが、一部には制度そのものがいまだ制定されていないこともあり、各国とも一様ではない。また、調査側の時間的な制約に加えて、制度そのものが形成途上である場合はもとより、希望するデータが整備されていないことなど、入手が困難を極めた。

なお、以下の方々をはじめ関係機関にご協力を得てはじめてこの研究も有意義なもの

 

 

 

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