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本釣り、フグなどの延縄と採介藻漁業で、農業は生産額で約6百万円、和牛の飼育と甘藷、ツワブキなどの栽培が中心である。現在、野生化した山羊が推定1,000頭程度生息しており、農作物を荒らすことが問題となっている。
 島の道路は全て舗装済みで、島内一周道路及び縦横断道路の整備が、平成8年度で完成する。
 簡易水道、診療所(医師1名、看護婦2名)、学校施設、保育所、小型焼却炉などについては整備済みである。し尿処理は月1回し尿積み出し船によって海上投棄しているが、生活雑排水は島内処理、不燃物は年5回本土に運搬処理している。
 

(オ)特産・硯光・交流

 特産品はツワブキ(かわを剥いて出荷)程度で、現在、漁協の婦人部を母体とする加工施設利用組合が農水産加工(塩ウニ※、味噌※、無添加豆腐、アジのひらき・みりん干し・すり身揚げ、イカの塩から、干物、おからドーナツ菓子など)に取り組んでいる。まだ、試作段階のものもあるが、例えば、豆腐は保育園、聖母園、漁協に販売し、島内、町内消費を軸に一般市場への展開を図るべくマークのデザインや販路開拓などを実施中で、漁協を通じて鎮西町の特産品販ももやまてんかいち売所「桃山天下市」でも販売している。
 観光対象としては、番所の辻をはじめ島の景観、カトリック教会、山羊・二まだらおんどまだらおどホンキジ・野鳥、集落景観、馬渡音頭(石川県輪島に同じ節がある)、馬渡踊りなどがある。レクリエーション資源としては、海水浴、釣りなどの適地が豊宮である。観光施設としては、番所の辻展望台、スポーツランド馬渡、石の内キャンプ場、旅館2軒、民宿1軒がある。観光客入込数は約1.23万人(平成5年)で夏、秋、春が比較的多い。宿泊は1千人強と比較的少ない。客層は一般視光やキャンプ、釣りなどが主体となっている。観光振興はこれからの段階で、まだ、組織的な訪客や受入体制は脆弱である。また、島面積が広いにもかかわらず、島内交通手段がないことが問題となっている。
 交流施設としては、ふれあい交流促進施設が整備されている。本島は古代史はじめ歴史的に他地域との縁が多く、朝鮮半島その他の海外との交流の資質は大きい。
 
※加工施設は平成7年度に電源立地促進対策交付金で整備されたもの。
※塩ウニは瓶詰め700本程度を製造しており、販路開拓中。
※味噌は商品化されたばかりであるが、今後は農産物と併せた野菜、ツワブキの味噌漬けの開発なども手がける予定。

 

 

 

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