北端のカリオ岬は佐賀県の最北端に位置し、眼前の壱岐や東シナ海を望む眺望は絶景で、特に、夕陽は美しい。
対馬海流で温暖な気候のため、植生は典型的な照葉樹林で、古来“椿の島”として知られるように全島に薮椿が自生し、天然のツワブキなども豊宮である。動物ではクロハトが生息する。
(工)人口・産業・島内交通・生活環境
平成7年国勢調査で人口は249人。島は広いが人口は玄海7島のなかで第5位と少なく、減少傾向にある。老年人口比率は26.0%、年少人口比率は12.9%と、高齢化が顕著であり、また、漁業後継者不足・嫁不足問題がある。
主力産業は水産業で生産額約2.3億円(平成5年)、イカの一本釣りが主体で採介・採藻、定置漁がこれに続く。近年、アワビの養殖が進められ、現在2名が取り組んでいる。
水産加工も低調であるが、一軒がアジ(唐津市場から仕入れて加工)、カマス、サワラのみりん干しやイカの一夜干し、干しひじきなどを手掛けている。漁協くちを通じて桃山天下市で販売している以外は、ロコミなどで人気を博し、生産が伸びている。労働力は主婦の手伝いに依存しているが、担い手があれば事業化の可能性がうかがえる。
林業では、古くから椿の実が個人販売として島外(呼子町)に出荷されているが、森林組合も伊豆諸島の利島などに出荷している。近年では、外国産品の輸入で値が下がり、650kgの生産で運賃を引いて27万円程度の収入と低迷気味である。
農業では、大根(干し大根)、芋類、ツワブキ、ニンニクなどが生産されているが、自家消費型にシフトしている。理由としては、農産品の価格の低迷とともに、航路の利便性の向上に伴う対岸での就業機会の増大が、担い手である女性労働力の流出を促進し、生産を低迷させていることに起因する面が大きい。
町道は舗装済みで幅員も4〜5mあり、島内一周道路及ぴ県営農免道路の建設が完了している。
簡易水道、ごみ焼却炉は整備済みで島民委託、し尿処理場も平成5年度に漁業集落排水事業として完了し、平成6年4月から供用され全戸水洗化、保育所、教育施設(小・中学校)、診療所(医師1名、看護婦1名常駐)、漁業環境改善センターも整備されている。
また、その他の特色としては、島にはイヌが一匹もいないこと、“椿の島”の特色をいかし、「つよい体」、「ばりばり勉強」、「きちんと挨拶」をモットーとした生
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