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(ウ)自然・土地

 東に61mの嶽山、西に40mの山見なる小山塊を有する低丘陵の平坦な島である。対馬海流の影響で冬季も無霜地帯で比較的温暖であるが、北西の季節風が強い。近接して加唐島があり、壱岐も眺望できる。低山塊は照葉樹林だが、低丘陵地の松林は松喰虫にやられて防風機能をもっていない。
 

(工)人口・産業・島内交通・生活現境

 平成7年国勢調査で人口は724人と減少傾向。平成7年国勢調査で老年人口比率は22.4%に対し、年少人口比率は20.3%と、比較的、年少人口の割合が高い活気のある島となっている。
 主力産業は水産業で、生産額は約3億円(平成5年)、小型船によるイカの一本釣りとウニ、アワビ、サザエなどを対象とした採介漁業が中心である。平坦地は多いが、農業は自家消費程度である。かつては麦、里芋、甘藷、野菜を多く産していた。
 町道は全長4.6kmが舗装済みで、平成5年に循環道路が開通した。集落内放射道路の幅員が3m未満で互いに連絡が悪く、一周道路との連結を要する。
 水道、ごみ(可燃物の収集は町が区に委託、焼却は区が個人に委託、不燃物は業者に委託)、し尿は業者による月2回の収集で本土処理している。また、保育所、小中学校(平成元年度の改築完了)、診療所(医師の常駐)が整備されているほか、昭和54年に漁村センター、平成7年度には老人憩いの家が完成してコミュニティ、福祉活動の基盤も比較的整備されてきている。
 

(オ)特産・観光・交流

 特産物は塩ウニ、試作中のものとして巻きスルメ(スルメを半生にもどし、皮の内側に足を入れて巻きタコ糸でしばり昆布だしで煮る)、研究中のものとして瞬間冷凍によるイカの姿づくりがある。
 観光対象としては、小川島貝塚、鯨娩供養塔、鯨見張所、田島神社、祇園祭、鯨骨切り唄、観光施設としては、宿泊施設として活魚料理で売っている民宿3軒、磯遊びなどのできる交流施設「めぐりあいらんどおがわ」がある。
 観光客入込数は約1.3万人(平成5年)、夏をピークに秋、春、冬と比較的通年で客の来訪がある。宿泊は4.6千人で、玄海諸島中最も多く、呼子市街地の観光と直結した味覚観光の強みがうかがえる。交流活動として、剣道を介した中学生の島外交流などがある。
 

 

 

 

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