ウ観光目的は活魚料理と釣りが中心、宿泊は少なく受入体制の充実もこれから
観光は、年間入込客数が約7万人(平成6年)、うち宿泊9,100人、宿泊施設15軒、うち民宿12幹となっており、高島、松島には宿泊施設はない。
客層は、活魚料理を求める家族・小グループの日帰り・宿泊客と釣り客が中心で、シーズンには海水浴客、キャンプ客もある。このなかで神集島のように万葉の島1童うとうの資源を訪ねたり、高島の宝当神社を訪ねる客、小川島のイカ祭り、トライアスロン大会(いずれも平成8年第1回開催)のようなイベントがらみの客もあるが、いずれも夏期が多い。
飲食・土産品販売店が少なく、来島者の軽飲食に不便である。
海の観光・レクリエーションの面では、遊漁機能を強化する流れにあるが、スキューバダイビングの導入については、漁業との調整が十分ではなく、水産業と共存する体制づくりが整備されていない。
大きな島については島内交通手段がないなどの問題もあり、総じて本格的な観光の受入体制の整備はこれからの段階にある。
エ コミュニティ活性化意識の饒成、広範な情報・交流基盤や機会開発が不十分
島の活性化の目的は「自らの生活を豊かで楽しくする」こと(:生活文化の振興、新しいライフスタイノレの創出)であるが、その意味での基本認識の共有が十分ではない。
コミュニティ活動の維持・活性化のための子供、若者、女性、高齢者などの全員参加型地域運営システム、リーダー・担い手の育成、活動資金などの基盤が弱い。
近年、高島の宝当神社を核にした島おこし、神集島の女性消防隊、小川島のイカまつりやトライアスロン大会を企画運営している漁協青壮年部など、加唐島の椿の会、馬渡島の施設利用組合の活動など産業、交流、コミュニティなどの活性化の機運がみられるが、まだ個々の島だけの動きにとどまっており、広範な情報や交流などを仕掛ける基盤が弱い。
オ 個性的な各島の集落景観、トイレの水洗化や島内交通手段が不備
島の集落環境や景観は沿岸部の高密度漁業集落、丘陵部の教会のある集落など島及び集落ごとに個性があり、風土性を色濃く反映している。
生活環境のうち下水に関しては、島によって漁業集落排水事業が導入されているが、まだ下水対策が十分でなく、生活の高度化に伴うトイレの水洗化二ーズヘの対応などに遅れが目立つ。