1)背景とねらい
関門港は、現在でも太刀浦、田野浦、小倉、岬之町の4カ所にコンテナターミナルが分散し、その中心的なターミナルである太刀浦コンテナターミナルは、第1、第2の2つのターミナルが分離している。さらに、これらのターミナルが独立して運用されているため、集積のメリットが十分に生かされていない。さらに、北九州・下関両市において新たなコンテナターミナルの整備が計画されており、関門港全体としてターミナルの散在による非効率が懸念される。
このため、各整備段階に応じて、関門港全体としてのコンテナターミナルの集約化と運用の一体化によって、輸送の効率化、利便性向上、コスト削減を図る。
2)事例研究からの示唆
・香港は年間1,000万TEUを超えるコンテナを4社のターミナルで取り扱っているが、そのうち最大のHITでは、10のバースを効率的に運用することにより、460万TEU/年を1社で取り扱っている。
・シンガポールは、すべてのバースをPSAが一元的に取り扱うことにより、香港にほぼ匹敵するコンテナ取扱量を捌いている。また、郊外に整備中の新ターミナルが本格稼働した時点で、現在のターミナルの機能は全面的に移転させ、跡地は都市再開発用地として活用する予定である。