日本財団 図書館


方策8 EDI化の推進  

 

1)背景とねらい

 わが国には、港湾関連の情報システムとしては、港湾物流情報ネットワーク「POLINET」、通関情報処理システム「Sea−NACCS」などがある。前者には、港湾管理者、船社(代理店)、フォワーダー、ターミナルオペレーター、荷役業者などが、後者には税関、通関業者、銀行などが加入している。しかし、両者の間で情報交換ができず、船舶関係業務と通関業務が別々に行われるため、ユーザーの利便性を低下させている。
 EDIによる情報交換は世界的な流れとなっており、港湾物流情報ネットワークと通関情報処理システムとの情報交換をEDI化によって可能にし、ユーザーの利便性向上、情報網の国際化への対応が必要になっている。
 現在、入出港手続きの簡素化、情報化等の検討が運輸省、港湾管理者等で進められており、様式の統一化、FAXによる受付等が平成9年度に開始される。今後さらにSea−NACCSとの接続についても検討される予定である。また、主要港の多くでターミナルオペレーションが情報化され、作業の正確性、迅速性が高められているが、関門港においてもこうした試みが始まっている。  

2)事例研究からの示唆  

 ・シンガポール港の港湾物流情報ネットワーク「PORTNET」は、各種申告、計画、積荷目録の提出、航海、接岸スケジュール、PSAにおけるコンテナの詳細のチェック、また各種照会や要望の提出が各利用者のオフィスから24時間、ぺ一パーレスで行える。「PORTNET」は「TradeNet」との情報交換が可能で、税関申告等も容易にできるのが特徴である。「PORTNET」には船社、フォワーダー、運送業者、荷主など1,500近い団体が加入している。  

 ・シンガポール港のターミナルオペレーティングシステム「CITOS」は、船舶が接岸すべきパースとヤードの自動設定、積卸しの過程における様々な情報提供を行う。また、「コンテナ番号認識システム」、運送業者が15秒以内に必要な情報を得ることができるゲートシステムを備えており、ターミナルオペレーションの正確性、迅速性を高めている。  

 ・ハンブルク港では、港湾関係者間の情報交換を行うオンラインシステム「DACOSY(Data Commmication Systems for the Transport Industry)」が導入されている。参加団体は、フォワーダー、荷主、ターミナルオペレーター、検量会社、船社(代理店)、陸上輸送業者(トラック業者、鉄道会社)、公共団体である。また、税関との情報交換が可能である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION