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 一方、わが国では韓国航路を中心として地方港における航路開設と港湾整備が進展しており、九州・山口地域においても、関門港や博多港に加え、これまで定期航路の開設されていなかった港湾も含めた港湾間の競合関係が強まっている。  

ウ)関門港のターゲットとする背後圏と航路網の評価  

 関門港がターゲットとして想定する背後圏は、直背後圏である九州・山口地域とその他の地域に分けられる。域外については日本国内と海外に大別され、前者については中国・四国や日本海沿岸、関東・関西など、後者については中国北部を中心とする環黄海地域が想定される。

 

表5-4 関門港のターゲットとする背後圏と航路網

 

背後圏 九州・山口
域内
九州・山口域外
その他国内 海外
(中国北部)
航路網 中国
四国
日本海
沿 岸
関東
関西
アジア域内航路 1 2-1 2-2 2-3 2-4
基幹航路(北米・欧州) 2 4-1 4-2 4-3 4-4

   出所)「平成5年全国輸出入コンテナ貨物流動調査報告書」等より三和総合研究所作成

   

 表5−5は、これらについてイ)で述べた2つの視点から関門港の優位性を評価したものである。

 

表5-5 背後圏と航路網の評価

 

背後圏・航路網 視点1 視点2
1 九州山口×アジア ◎:既存のアジア域内
 航路網の充実
◎:直背後圏
2-1 中国四国×アジア ○:環黄海圏への近接性
2-2 日本海×アジア ○:環黄海圏への近接性
2-3 関東関西×アジア ○:日韓輸送の迅速性
2-4 海外×アジア ○:環黄海圏への近接性
3 九州山口×欧米 ○:新規に欧米航路開設の必要性 ○:直背後圏
4-1 中国四国×欧米 △:神戸港、釜山港等との競合
4-2 日本海×欧米 △:釜山港、神戸港等との競合
4-3 関東関西×欧米 ×:東京・横浜、大阪・神戸との競合
4-4 海外×欧米 △:釜山港、神戸港等との競合

    注)視点1:関門港の持つ実績・資源(航路網、港湾施設など)

      視点2:関門港の外部環境(周辺の物流需要、競合港湾など)

   出所)三和総合研究所作成

 

 

 

 

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