イ)検討の視点
関門港においてターゲットとする背後圏及び航路網の検討にあたって、次の2点が重要と考えられる。
視点1:航路網や港湾施設など関門港の持っ実績・資源
視点2:周辺地域の物流需要や競合港湾の存在などの外部環境
そこで、これらの視点について、関門港の特徴を整理すると次のようになる。
<視点1:航路網や港湾施設など関門港の持つ実績・資源>
○アジア域内航路の充実と欧米航路の未整備
韓国、中国をはじめとして、NIEs,ASEANの各主要港湾に週1便以上のサービスが提供されるなどアジア域内の航路網が充実しており、フェリーなどの国内航路網や道路網などの交通体系上も要衝にある。その一方で、基幹航路は北米航路が不定期的に寄港するのみである。
表5-1 関門港及び神戸港にアジア主要港湾への航路の寄港頻度(便/週)
|
釜山 |
大連 |
青島 |
上海 |
基隆 |
高雄 |
香港 |
マニラ |
レムチャバン |
シンガポール |
ポートケラン |
ジャカルタ |
関門 |
19 |
3 |
2 |
4 |
6 |
5 |
6 |
3 |
2 |
2 |
1 |
3 |
神戸 |
15 |
8 |
6 |
11 |
9 |
12 |
16 |
4 |
4 |
11 |
3 |
2 |
出所)前年度調査(「シッピングガゼット」1995年10月2日号による)
○コンテナターミナルなどの施設整備状況
西日本最大のコンテナターミナルを有するなど港湾施設が充実しており、現状では大水深バースなど基幹航路の寄港に適した施設整備については不十分だが、1997年度に響灘地区において、一15mの大水深パース整備が新規着工されることとなっている。
表5-2 九州・山口及び全国の主要な外貨コンテナターミナル
港湾名 |
ふ頭名 |
岸壁水深及びバース数 |
関門 |
北九州 |
田野浦ふ頭 太刀ふ頭 日明ふ頭 |
-10.0m×2バース -10.0m×3バース、-12.0m×2バース -11.0×1バース |
下関 |
岬之町ふ頭 |
-10.0m×1バース |
博多 |
箱崎ふ頭 香椎パークポート |
-12.0m×1バース -12.0m×1バース |
東京 |
大井コンテナふ頭 青海コンテナふ頭 |
-13.0m×8バース -12.0m×1バース、-14.0m×3バース |
横浜 |
本牧ふ頭 大黒ふ頭 |
-11.0m〜-14.0m×14バース -12.0m×5バース、-14.0m×2バース |
神戸 |
ポートアイランド 六甲アイランド |
-12.0m×11バース、-15.0m×2バース -10.0m×8バース、-12.0m×3バース -13.0m〜-14.0m×9バース |
出所)北九州市資料ほかより三和総合研究所作成