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第5章 関門港における港湾物流機能充実の具体的方策の検討  

 港湾物流機能充実の具体的方策の検討に先立ち、その目標と基本方針を明確化する。

1.関門港における港湾物流機能充実の目標と基本方針  

 

(1)関門港における目標の明確化  

1) 関門港のめざすべき方向の確認  

前年度調査において、関門港のめざすべき方向を次の7点に整理した。  

 1.わが国の国際中枢港湾の一つとして、国際的な港湾の競争力の強化を牽引する。  

 2.「アジアの拠点港湾」として、欧米も含めた全方位的な港湾ではなく、アジア域内の拠点に特化していく。  

 3.アジア域内の高密度・高頻度の航路ネットワークを展開させるとともに、欧米等との航路の開設を進める。  

 4.港湾経費の低コスト化を推進し、荷主及び船社に対して低廉なサービスを提供することにより、激化する港湾問競争における競争力を高める。  

 5.両市におけるFAZ計画と連携し、輸入促進拠点として商流機能と物流機能の融合を図り、輸入品の円滑かっ低廉な国内流通を実現する。  

 6.新北九州空港や国内航路網・鉄道網・道路網との一体化を図り、陸・海・空の各輸送モードの複合化を推進する。  

 7.近隣港湾との連携・分担を図り、北部九州あるいは九州・山口を一体として港湾物流機能を充実させていく。  

2) 関門港のターゲットとする背後圏と航路網  

ア)アジア主要港湾の事例  

 「めざすべき方向」に向けて、港湾物流機能の充実を具体的に進めていく際には、ターゲットとする背後圏(荷主)と航路網(船社)を明らかにして取り組んでいくことが重要である。
 例えば、アジアの主要港湾は、それぞれの地理的特性や周辺港湾の整備状況などに基づき、背後圏や航路網に関して、次のような明確な特徴を有している。   

 *香港:中国南部・華南地域のゲートウェイ、北米・欧州航路ともに充実   

 *シンガポール:東南アジアのトランシップ拠点、欧州航路が特に充実   

 *高雄:極東アジアのトランシップ拠点、北米航路中心   

 *釜山:韓国のゲートウェイから環黄海圏のトランシップ拠点へ展開

 

 

 

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