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そのメッセージの内容は、海上保安部、気象庁等IMOが認めた情報機関による海上安全情報(航行警報、気象警報、遭難情報など)が無料で提供され、また有料で商業的通信(ニュース、娯楽放送、商品市況など)も提供されている。

ナフテックスが沿岸航行船舶を対象に運用されているのに対して、EGCは静止型衛星通信の到達範囲であり、遠洋を航行する船舶を対象として運用されている。

(7)双方向無線電話装置(双方向VHF)

この装置は、遭難現場において、生存艇(救命艇、救命いかだなど)と本船や救助船との間及び生存艇相互間で、音声により通信を行うためのVHF帯FM無線電話装置である。常時は操舵室などに格納されていて、非常の際に持出して使用する持運び式双方向無線電話装置(携帯型)と常時救命艇に設置されている固定式双方向無線電話装置(固定型)の二種類がある。

(8)浮揚型極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置(衛星EPIRB)

この装置は、船舶が遭難した際、自動的に海面に浮いて(あるいは生存艇において)遭難警報用の周波数を発射し、衛星を介して陸上側に自局の位置を示す遭難救助用の無線標識である。

衛星EPIRBには、COSPAS/SARSAT衛星に向けて406MHzの電波を発射する送信機に加え、航空機によるホーミング用として従来から航空機に使用されている121.5MHzの電波を発射する送信機が付加されている。

(9)レーダートランスポンダー(SART)

船舶が遭難した場合、衛星EPIRBや無線装置を用いて、その船舶の位置を陸上の捜索救助機関及び他の船舶に通報するが、それらの機器の性能上による誤差や通報してから潮流、風などにより遭難船舶の位置が移動することがあるために、

 

 

 

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