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対してだけでなく、船舶の航行水域(A1水域、A2水域、A3水域及びA4水域,1.2.2(4)参照。)ごとに搭載が義務づけられている設備によって、陸上の捜索救助機関に対しても伝達され、捜索救助活動がスムーズに行われることにある。

次にGMDSS機器の概要を述べる。

(1)MF/HF直接印刷電信・無線電話(MF/HF無線通信装置)

従来の無線装置は、モールス符号を用いた電信方式及び音声

による電話方式だけの通信方式のものが―般的であったが、GMDSSで使用されるものは、DSC(デジタル選択呼出)機能、 あるいはNBDP(狭帯域直接印刷電信)機能を付加することにより、自動的に通信の相手局と接続し、音声又はテレックスによる遭難・安全及び―般通信を行うことができる装置である。

この装置のMF(2MHz帯)は、150海里程度の中距離通信に適し、HF(4〜22MHz帯)では、周波数を選択することにより遠距離通信に適している。

 (2)VHF無線電話装置

本装置は、20〜30海里以内の近距離通信において、音声による明瞭な通信が可能なFM変調方式のものである。

港湾内又はその付近での海岸局と船舶局、船舶局相互間の遭難・安全及び海上移動業務などの―般通信に使用するもので、GMDSSではDSC(デジタル選択呼出)を付加することにより自動的に相手局と通信回線が接続できる。

(3)デジタル選択呼出装置(DSC)デジタル技術を用いて、自動的に相手局と通信回線を設定し情報を伝送できる装置であり、(1)又は(2)の装置などと組合わせて使用される。

DSCは、多数の無線局が同―周波数で共同運用している中で特定の局やグループ指定、あるいは全船を―括呼出しする

 

 

 

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