第5章 ケーブル、コードの選定
5.1 ケーブル、コードの選定
ケーブル、コードは管海官庁又は船級協会の承認を得たものを使用しなければならない。JISC3410−93(般用電線)に適合したケーブル等は管海官庁又は主要船級協会の承認を得ている。(「工事編」2.2参照)
ケーブルなどの選定においては、耐延焼性も考慮しなければならない。
ケーブルは単独では耐炎性(難燃性)を有しているが、これらのケーブルを束ねて布設すると、ケーブル本来の耐炎性(難燃性)を維持できなくなり、火災の際にケーブルが延焼して火災拡大の原因となるため、その対策を施さなければならない。
その対策として、IEEE45(米国電気・電子学会規格)又はJCS390(日本電線工業会規格)の試験に合格した耐延焼性ケーブルを使用する方法がある。耐延焼性がないJISC3410のケーブル等を使用する場合は、つば付きコーミング又はFire Stopマットなどの工事方法を組合せなければならない。
また、その他の選定として、火災の危険度が高い機関室などに、やむなく操舵装置などの非常回路のケーブルを通過させる場合には、耐燃性を考慮しなければならない。これはNK鋼船規則に規定されている耐燃性試験に合格したマイカデーブ等を巻いた火災に強い耐燃性ケーブルを使用することになる。
なお、現在JISC3410はIEC規格と整合させるための改正作業が行われており、この改正の中にはケーブルの断面積、導体サイズ、線心数、対数及び試験方法の変更が含まれている。NK鋼船規則では、現状のJISC3410を認めているとともに、規則自体はIEC規格の内容で規定されている。
(表5.3、表5.4、表5.8参照)
ただし、耐延焼性試験については、上記のIEEE45などの試験方法