-2.交流電動機
(1)発電制動(Dynamic Braking)
電動機を交流電源から切離し、一次側の3端子のうち2端子を結び、これと他の1端子の間へ直流を通じて固定磁界を作れば、交流発電機として作用し、回転の慣性による動力は電力に変換され、回転子の中で熱エネルギーとして消費されることによる制動法である。
この方式で、巻線形電動機の場合は、回転子の発生電力をスリップリングを通して外部抵抗で消費させれば電動機自身は過熱することはないが、かご形電動機の場合は、電動機が過熱するので注意を要する。
(2)回生制動(Regenerative Braking)
直流電動機の場合と同じく、負荷が逆トルク、すなわち同期速度以上で運転すれば誘導発電機として作用し、その時の発生電力を電源に戻すことにより制動する方法である。
(3)逆相制動(Plugging)
電動機の一次側の2端子を入替え回転磁界の方向を替えて、回転子に逆トルクを与えることにより制動する方法である。
この場合もかご形電動機は過熱するので注意を要する。
(4)単相制動(Single−Phase Braking)
巻線形電動機のみに使用される制動法で、一次側の3端子のうち2端子を結び、これと他の1端子の間に単相交流を通じて励磁すれば単相誘導電動機として働き、2次側に抵抗を入れ抵抗を増大していくとトルクは減少していきついには逆トルクがかかり制動が行われる方法である。
実際に一般の船舶において電気的制動法が使用されているのは電動甲板機械及び電動荷役装置に回生制動が用いられている程度である。