経済性のバランスを図ることが肝要で、その選択に際しては、次の諸点に留意する必要がある。
(1)標準品の採用〔JEM参照〕
(2)速度制御の要求の有無、もし要求があればその範囲、制御精度、過渡特性など。
(3)絶縁の種類
(4)効率の良否
(5)始動時等の突入電流が電源電圧に及ぼす影響。
(6)非常停止の要否
(7)取扱い及び保守の難易
(8)設置場所の環境条件、特に周囲温度、相対湿度、換気性、空気の汚染度及び据付条件
(9)艤装工事の難易
電動機の定格は、その使用状態により連続定格、短時間定格及び反復定格の3種類に大別されるが、船内の電動機は一般に連続定格のものが使用される。短時間定格及び反復定格の電動機としては、次のようなものがある。
(1)短時間定格の電動機
主機回転装置、工作機械、天井クレーン、舷梯ウインチ、救命艇ウインチ、エレベータ、ダムウエータ、糧食用クレーン、操舵機。
(2)反復定格の電動機
荷役装置
なお、反復定格の表わし方は一般に負荷時間率(%ED表示)が使用されるが、これは1回の負荷時間と1周期の時間との比をパーセントで表したもので、特に指定しない場合は1周期の標準値は10分とされる。
また、JEC37−79によれば短時間定格の標準値は5分、10分、15分、30分、60分、90分及び120分の7種類があり、%EDの標準値は15%、25%、40%及び60%の4種類がある。