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3390万時間であり、1人当たり年間164時間、月平均で13.7時間ボランティア活動を行ったという計算になる。仮に1日5時間程度のボランティア活動を行うと考えれば、毎月3日程度、年間30日程度ボランティア活動に従事しているということになり、これは平均値であるから、夏休みの数日間だけ「ボランティアを体験してみた」といったものでは決してないことがわかる。

実際、オーストラリアにおいてボランティア活動とは、日常そのものだという印象が強い。旅行者として少し気をつけてみるだけでも、公園の花の管理(バラ園友の会会員)、市庁舎内ギャラリーの受付、ナショナル・トラスト会館の案内、街やミュージアムのツアー・ガイドなど、さまざまなボランティアに接することができる。また州政府や市役所での面接調査の際にも、「ところで職員の中で何かボランティアをやっている人はいないか」と質問すれば、必ずその部署で1人や2人はそういう職員を紹介してくれる。多くの場合、「そんなことにどうして興味もつのか」といった不思議そうな顔で応じるところなど、ボランティアがこの国では何らの事件でも話題でも課題でもなく、日常の中の単なるひと駒に過ぎないことを物語っている。

 

(3) 地域・性・年齢・職業等による違い

上記の調査によれば、州や地域・性別・年齢・職業等の違いによって、ボランティア活動に従事する割合がかなり違うことがわかる。それぞれについて紹介してみたい。

まず、6つの州と2つの特別地区ごと、および州都と州全体の逢いによるボランティア人口の差が示されており、とくに都市化とボランティアとの関係を考える上で興味深い。

 

表1 州別ボランティア人口

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