形容する事ができよう。
通商や投資におけるグローバリズムとは、多国間の非差別的な市場システムを追求する考え方であり、GATTやWT0などの活動はそうしたグローバリズムを追求する努力という事ができる。
(2)リージョナリズムの進展とその背景
グローバリズムと並んで世界の多くの地域においてリージョナリズムとも言うべき現象が顕著になってきている。その主な例としてEU,NAFTA、そして東アジアでの展開などを挙げる事ができるが、これらはその性格も発展の背景も著しく異なる。
EUは汎ヨーロッバ主義の伝統を汲む政治的統合への意図が背景にあり、現在は市場統合から通貨統合への途上にある。関税同盟として深化した姿を示していると同時に周辺国を捲き込んで拡大する様相も見せている。
NAFTAは、GATT交渉の限界に失望した米国が、地域市場における貿易と投資のアクセスを拡大すべくカナダとメキシコを自由貿易地域に組み込んだもので、さらに環太平洋地域へ拡大の意向も示している。
東アジア経済圏は近年急速な発展を見せているが、そこにはEUやNAFTAのような関税同盟あるいは自由貿易地域型の制度的枠組みはなく、この地域を核とするAPECは経済発展を促進するための自発的な自由化と地域協力という新しいモデルを提示している。
3.グローバリズムかリージョナリズムか:日本外交の進路
(1)グローバリズム戦略の意義と限界
日本のようなグローバルな通商国家にとっては世界会議において開かれた市場アクセスを確保しておく事のメリットが大きいから、外交戦略の基本は当然グローバリズムに置くべきであり、WT0のような多国間交渉のシステムと機能の維持、強化に力を尽くす事が重要である。しかしながら、現実の世界ではEUは周辺地域に拡大する動きを示しており