
表1.2.1 CALSの技術標準例
1.2.2標準技術
情報化推進で重要なポイントとなる標準技術について、特に標準として定着しつつある技術についてふれる。ここでは欧州を中心に広く普及しているSTEPと、製品情報の中でも広範囲に使われる文書、マニュアルなどのマークアップ言語として使われるSGMLに絞る。
1.2.2.1 STEP
STEP(STandard for the Exchange of Product model data)の正式名称は、国際規格ISO10303である。また、その目的は製品のライフサイクル全般にわたって利用できる完全な製品モデルの実装に依存しない表現と、その情報交換の実現である(参照文献[5])。
CADの形状情報の交換規格としては、IGESが古く運用も盛んだが、STEPはものづくりに必要な調達情報や設計変更履歴、部品構成情報等の製品情報までをカバーするため、情報化推進のグローバルな展開の基盤のひとつとして期待が大きい。
STEPの主な特徴は、次の通りである。
・形状を含む製品情報モデルの定義向け形式言語EXPRESSを持っており、各種技術情報を実装に独立して、共通の土俵で表現することができる。
・SDAI(Standard Data A?ess Interface)によって各種データベースとのインタフェースをとることができる。
・応用分野毎にアプリケーションプロトコルを用意する方式によって、製品情報モデルの交換、統合を容易に実現できる。
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