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STEPの規格は膨大で、審議は1985年に始まり、1994年に最初のリリースを発表したが、規格開発中のものは少なくない。アプリケーションプロトコルとしてもAP201から20個以上のプロトコルを開発中だが、初期リリースで規格化が終了したものは製図(AP201)、3次元モデル/製品管理(AP203)のみである。(参照文献[6])。

CALS推進の観点からは、国内でも自動車、造船等がSTEP連用の取り組みを始めている。具体的には、トヨタ、日産、三菱自動車工業、マツダはSTEPのAP203に基づく情報交換システムによる形状や構成情報の相互交換の実証試験に成功している。

造船関係のアプリケーションプロトコルとしては、AP215(Ship arra?ement)、AP216(Ship moldedforms)、AP217(Ship pipi?)、AP218(Ship structure)等があり、特に、AP216については船舶構造のCADデータの交換テストも行っている。さらに、AP226(Ship Mechanical)については検討に着手している。また、(財)日本船舶標準協会において1993年よりSTEP/般用AP委員会が発足し、日本海事協会と各造船所との膨大な技術文書受渡しのデジタル化等に向けて原案づくりが進行中である。(参照文献[7])

1.2.2.2 SGML

SGML(Standard Generalized Markup Language)の正式名称は、国際規格ISO8879である。マークアッブとは、電子的に作成した文書の章建て等の構造や、書体の変化等の体裁を指示するために文書内に付加したコードを意味する。(参照文献[8])

SGMLの目的は、このマークアップ言語を標準化して文書の構造を定義しやすくするだけでなく、コンピュータ間の文書交換を容易にすることでもある。SGMLに従って自分の文書作成の方法を定義すれば、異なる文字セットやコード体系を持つコンピュータ間での情報交換が可能となる。

SGMLによって、以下の項目を定義することができる。一

・文書の構造

・文書交換に利用する文字(キーボードから直接入力できない文字の表記上の約東等)

・文書中でなんども使用するテキスト

・テキストの中に組み込まれる外部で作成した情報

・テキストをマークアップするために使用する特殊な手法

・テキストの処理方法

 

SGMLの適用を積極的に行なっているのは、自動車のマニアルづくり等のサービス情報の提供分野である。CALSでは企業間の協業が重要だが、OEM製品のマニアルをそのまま出す訳にはいかない場合が多い。マニァルには、メーカ毎に書式や書体に特徴をもたせる必要があるからである。この時、SGMLで元のマニアルを書いておけば、メーカ毎の変更を機械的に行うことができる。

米国では1998年より自動車整備所などへのサービス情報をSGML形式で提供する

 

 

 

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