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自由に情報交換ができること。また、システムはオープンな業界標準(デファクトスタンダード)の採用による安価な構築をべ一スとし、将来の拡張性が可能となるようにする。

?情報の共有化:製品のライフサイクルに関わる情報をデータベース化しネットワークを通じて共有することにより、企業/組織間の枠をこえて、業務遂行の効率化が図れる。また、運用しているシステムが有機的に接続、統合し、全体としてCALSのねらいが実現するが、その際、システムの間で交換される情報の標準化や、異なる形態の情報を相互に翻訳できる仕組みが重要となる。この仕組みによって、ビジネスの上で意味のある情報を交換することができるようになる。

CALSでは異なる企業間での情報の共有がべ一スとなる考え方である。インターネットの急速な発展の中で、既に以下のような情報共有とその活用を基本とする特徴を示し始めている。

 

・自前主義の排除:円高によって国際的にコスト競争力を失い、ネットワークの急速な展開を背景に技術開発がスピードアップしたためTime to Marketが企業の命運を分けるキーワードとなり始めた。従って、従来の自前で全てを開発する方式はコストがかかるために破綻を来し、ファブレス企業のように、ネットワークをフルに活用して得意業を持った複数の企業が協力して、過大な投資を避け、新製品をいち早く市場に投入する戦略をとる企業が増えている。

 

・ネットワーク社会における信用:パートナーとの協業を有利に導くには、付加価値の高い得意業を持つことと同時に、企業間で必要な情報を的確に、かつ、タイムリーに交換できる必要がある。従って、ネットワーク社会では企業規模の大きさよりも、PDMなどによって社内の製品関連情報が充分管理されているか、その客観的な判断基準であるISO9000認証を取得しているかどうかが企業の信用を左右するポイントとなる。

 

・組織間、企業間の垣根崩し:従来の企業内部の情報網は、特定の担当者に情報の集まる傾向が強かった。しかし、意志決定や開発のスピードがビジネスを大きく左右するネットワーク社会では、必要な情報がそれを必要とする担当者に即座に、的確に伝わるフラットな企業内情報網が必要である、その様な情報網の存在自体が社外のパートナーの信用を得、協業に基づくビジネスを成功に導く条件でもある。

 

1.1.3 内外の情報化への取り組み

高度情報化への国際的な動きは、米国におけるCALSの動きに対応する形で、各国の政府や民間組織が独自の推進をめざした組織を設立してきた。その統一をめざした民間組織と

 

 

 

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