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有価証券の利子などの営業に直接関係のない収益のことをいう。
また、営業外費用とは、銀行など金融機関からの借入金の利息とか、手形割引料とか、営業活動に直接関係のない支出のことをいう。この(経常利益)?Bは会社の経営の成果を表わす損益なので、一般に利益といえば経常利益をさしている。
また『損益分岐点』の利益とはこの利益のことであるからよくおぼえてほしい。さらに特別利益、特別損失などを経常利益から差引いて税引前当期利益?Cを出します。またこれにもとづいて法人税、地方税、事業税などの税金を計算し、法人税等充当額として差引いて(当期利益)?Dを出す。これを税引後利益ともいう。
最後に、前期繰越利益を当期利益に加え、当期未処分利益?Eを出す。これから株主総会に提出する「利益金処分案」をつくることになる。
(2) 貸借対照表(バランスシート Balance Sheet)
バランスシートは損益計算とともに決算書類の中心となるものである。企業が営利活動を行うためには、土地(敷地)、建物、設備などの施設を基本財産として、生産の過程で生ずる、売上債権や、材料などの在庫をもっている。
さらに取引関係を緊密にするため取引先の株式を所得したり、また特許権のような無形の権利などを持つなど、財産の構成はもとより資金源も複雑になる。そこで企業は所有する財産とそれを所得したさいの資金の調達のしかたなどその源泉を総合的にとらえ、現在の財政状態を明らかにする必要がある。この任にあたるのがバランスシートである。
バランスシートは一定時点における企業の財政状態を示す決算書であるから、年、月、日現在を必ず記入することが必要である。損益計算書と利益処分案については次頁の損益分岐点の項で説明してあるから省略する。なお、詳しく勉強したい方は、専門書として数種の指導書が出版されていますから参考にしてほしい。
 
2.2.4 損益分岐点
 
とつぜん、「損益分岐点」とは何かと言われても、普段現場で働いている人にはピンとこない。また、工場の事務関係で働いている人でも、経理関係以外の人には、あまりききなれない言葉である。
サラリーマンの友達との会話では、
『君の会社の景気はどう?』『まあまあだよ』
大阪商人なら、さしずめ?
『儲かりまっか?』『ぼちぼちですわ』
このような、普段ききなれた言葉ならわかるような気がする。『まあまあだよ』も、『ぼちぼちですわ』も、まず調子は良いと判断できそうである。そこで、この項では、「損益分岐

 

 

 

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