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呑みこめ、また各自の仕事の持前の出番の時期と責任範囲とがはっきりする点で工程管理上の一番大切な表である。特に、これらの表は横にみるよりも、ある時点を縦に一覧することによって大きな行事の分布、入金の時期・工期の繁閑を一目で知ることができる。工場管理表は特にこの表を毎日のようにながめて工場経営の作戦計画を練らねばならないが、総合線表は、その工場の全般の態勢を余り明白に示しているので、営業上その他の関係から管理にあたる幹部だけが使用して、現場や下部組織には細分された中日程や小日程を部分的に発表する方がまず無難である。
(6) 大日程表の作製
契約後、直ちに工事全体の主要日程を決めなければならない。この大日程表はその後の建造工程の基本になるものである。工場によっては、各工程に力のバランスがあるはずなので、必ずこれを見込み、引渡し日から逆算した主要日程を基に船尾部、機関部、中央部、船首部、上部構造物と構造別に決めると構造別に設計出図から工事完了までの流れが明確になり、その後の日程表作成に便利である。
その一例を第1.23図で示す。
また、初めて作成する場合には、類似船の実績や、他の造船所の実績を参考にするとよい。
 

第1.23図 大日程表の例

 

 

 

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