日本財団 図書館


現場作業すなわち造船部門は、一般に船殻と艤装に分け、それそれの組織系統をおおむね職能別に編成する。いずれの部門にも工務課で立案した生産計画を維持するための管理係が設けられればさらによい。
 
1.3.8 組織のあり方
 
工場の管理機構の動きは、第1.14図を“流れ図”としてみると一目でよくわかる。これによって組織の合理性が判定できるし、またその配置にある従業員が各自のしなければならない仕事の立場およびその方向を明白に認識できるという利点がある。しかし、この組織は、工場の大きさによって異なるので、省略したり兼任したりして縮少も拡大もできる。この管理の“粗さ”というものは、第1.15図の関係をよくみて、自分の工場に適したものにする必要がある。
 

第1.15図 管理の荒さのバランス

 
(1) 設計関係
設計部門は、一般に設計図だけを作る部門のように考えられがちであるが、工場内では、製品に対する技術の中心になる所である。特に基本設計係は、その中でも新船設計の主役となるところで、ここから生れる“アイデア”は工場の繁栄と没落との鍵をにぎっているといっても過言ではない。企画が斬新で設計が優秀であれば受注も円滑にいくし、業界をリードすることもできる。それだけにこの部門にはできるだけ優秀な人材を配置しなければならない。船殼設計および艤装設計係は詳細設計を担当するから、その道にくわしい人を配置する。このほかに期間設計、電気設計等を設けると更によい。最近は主機械場力の増大、船内の電化、省力化による遠隔操縦等の採用の関係で、補機の力量、油圧装置、電気、電子機器

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION