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次に重大災害とその対策について述べる。
(1) 墜落災害の防止対策
高所作業が多いため墜落事故が多く、そのほとんどが死亡または重傷事故である。対策としては、
(a) 足場板の固縛を確認する。
(b) 開口部の墜落防止装置を確認する。
(c) 昇降装置の確認をする。
(d) 物品を手にもっての直立ハシゴの昇降を禁止する。
(e) 命綱を確実に使用する。
(f) 船尾部、船首部等には安全ネットを設置する。
(2) 感電災害の防止対策
溶接作業など高電流を使用する作業が多く、感電死する危険がある。対策としては、
(a) 心線露出、被覆破損コードの使用を禁止する。
(b) 電動工具のアースを確認する。
(c) 溶接機の電防器の作動を使用前にかならず確認する。
(d) 被覆破損した溶接ホルダーの使用を禁止する。
(e) 溶接ホルダーに溶接棒をはさんだまま放置しない。
(3) 落下、転倒災害の防止対策
高所より鉄片、治具などが落下したり、組立中に部材が転倒して作業員にあたる事故も多い。また、クレーンでの運搬中の落下は重大な災害を起す危険性が大きい。対策としては、
(a) 吊りピースの点検を確実に行う。
(b) 運搬するブロック内の残材はかならず除去する。また、艤装品はかならず固縛を確実に行う。
(c) 不良ワイヤーの使用を禁止する。
(d) 構造物の運搬経路の人払いを徹底して行う。
(e) 不良架台の使用を禁止する。
(f) 金矢、残材などを足場上に放置しない。
(4) 爆発(火災)災害の防止対策
サンソ、アセチレンガス、プロパンガス、塗料の爆発、特に修繕船などにおける石油系のガス爆発、特殊材料(接着材、防熱材)の燃焼事故などが多い。対策としては、
(a) 混在作業の事前検査を徹底して行う。
(b) 作業開始前(切断、溶接)に周囲の確認をする。

 

 

 

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