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切断された部材は必要によりエッジプレーナーやプレスにかけたり焼曲げたりされるのでそれらの機械類も、工程の流れにそった配置が必要となる。
加工場から次の工程の組立場に至る中間に加工部材の置場を設けて各部材ごとに整理しておくと組立工程の運搬手順がスムースとなる。部材置場の面積は鋼材の加工量によって決める。
(3) 組立場
加工場の次の工程は組立場となる。組立は、小組立、中組立、大組立に分れるが、その組立部材の大きさ、重量に応じた定盤を配置しなければならない。ここでは溶接作業が主体となるので定盤ごとに必要台数の溶接機を配置する。
最近は、溶接作業の効率をあげるため、小、中組立は屋内作業とする造船所も多い。また季節風、降雨雪の多い地方では大組立も屋内作業としている造船所もある。大組立場を屋内とする場合に反転作業の便を考慮すると天井クレーン等の吊揚高を十分とるため棟高の建屋が必要となる。
(4) 船第、船架と船渠
大組立を終了したブロック類は、建造船台に運搬され搭載される。船台は、建造する最大船舶の重量に耐える耐圧力をもち、進水設備および前面の水深に見合った、適当な傾斜と水中部をもたなければならない。
小型造船所では、船台の修繕船の上架にも使用されることが多いので、船渠、艤装岸壁との関連も考慮して配置されなければならない。
船渠には乾ドックと浮ドックがある。乾ドックも浮ドックも修繕船用として設けられるが、大型船では新造用として使用される場合もある。船渠は新造船台と別の場所に設けられるが入渠させる船舶の喫水と海面の水深との関係が問題になる。
地盤のよい所では、乾ドックが多く、地盤が悪く、また、陸上部の狭い造船所では浮ドックを用いる。浮ドックは両側は艤装岸壁としても兼用できるし、工場の敷地が広くなったような効用もある。修繕船の多い小型造船所では、入出渠の回転が早いので、活用度が大きい。
その他に「シンクロリフト、という同時水平巻上式の上架台もあるが、巻揚装置に相当な設備が必要なので、小型船で重量の軽い船には便利であるが、専ら修繕工場向である。
「シンクロリフト」(学習指導等参照)

 

 

 

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