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3. 具体的な方策
(1)高島
(1)将来的な静脈物流のイメージ
実線:定期的に排出/点線:不定期に排出
太線:RORO船/細線:定期船
 
 一般廃棄物(資源ゴミ除く)の収集は行政直営から海上輸送と収集・運搬をセットにした民間委託へ、また、将来的にはRORO船から定期船利用に移行する。廃家電は現行通り定期船を利用する。漁業関連廃棄物や漂着ゴミ等は漁協が主導して、品目や輸送量に応じて自ら漁船輸送またはRORO船を手配する。使用済み自動車や廃船は年に一度あるか無いかの発生量だが、RORO船の空きスペースを活用して輸送し、本土処理事業者に港で引き渡す。
 
(2)短期的な方策
■業務委託内容の変更<高島・神集島共通>
 現在、一般廃棄物(資源ゴミを除く)の収集・運搬業務は行政直営で行われているが、海上輸送と収集・運搬業務の担い手が異なり、2者が同船に乗船する非効率な状態となっている。そこで、海上輸送と収集・運搬業をセットにした業務委託内容へ変更することで、人件費分のコスト削減が見込まれる。現在、チャーター船を運航している船社は、鎮西支所管内の3島の一般廃棄物収集を担っており、作業面での問題は無い。
 
■島内ステーションの集約化
 高島では、島内に6〜7ヶ所のステーションが置かれている。これは島の面積や島内人口に照らして、他の島と比較すると多い数である1。島民の協力の下でステーションを集約化し、輸送コストの削減を図ることが求められる。
 
1 1ステーションあたりの世帯数をみると、高島は約20世帯であるのに対し、神集島は約100世帯
 
■粗大ゴミの共同輸送<高島・神集島共通>
 旧唐津市の高島・神集島では、粗大ゴミは排出状況に応じて不定期の回収が行われている。申請窓口である唐津市で調整し、高島と神集島を同一日回収とすることで、行政コストの軽減が見込まれる。また、回収頻度が年数回と少ないため、チャーターではなく、別用途の輸送と合わせて積載率を向上させることで、一層のコスト削減が可能となる。
 島内所定の一時保管場所を設置することで、島内収集負担の軽減を図ることができる。
 
■使用済み自動車の輸送方法および離島対策等支援事業に関する情報提供
 使用済み自動車は、廃棄物収集船の空きスペースを活用して随時輸送する。すでに輸送料金は確定しており、島民に対して輸送方法や離島対策等支援事業の活用などの情報を提供し、適切な排出を促すことが求められる。
 高島では発生台数が非常に少なく、取りまとめの必要性も低いことから、特に窓口は設けず、排出者が適宜船社に依頼する体制が適当と考えられる。ただし、排出スケジュールに合わせてリサイクル手続き等を行うには、島民が事前にRORO船の入港予定を把握しておく必要があり、これは漁港管理者である市のホームページでの情報公開等が考えられる。
 
(3)中長期的な方策
■定期航路による廃棄物等の輸送に向けた検討<高島・神集島共通>
 将来的には、廃棄物等の輸送コスト削減に向け、定期船による一般廃棄物の輸送を想定する。輸送手段の変更にあたり、具体的には、次回の定期船リプレースの機会に廃棄物等の輸送が可能な荷役設備等を配備し、小川島同様の輸送容器の準備や、島内収集体制の構築などを行う。
 これらの輸送手段の変更に際しては、特に高島の場合は観光振興などへの影響も考慮し、定期船を運航する漁業協同組合や島民、行政等の関係者間で十分な協議を行うことが重要である。また、高島定期航路の渡船場は唐津城そばの観光地であることから、一般廃棄物の本土側の一時保管場所を旅客の渡船場と別場所にするなどの検討が必要である。
 現在、一般廃棄物の収集体制は神集島と共同であるため、神集島との調整も必要である。
 
(2)神集島
(1)将来的な静脈物流のイメージ
実線:定期的に排出/点線:不定期に排出
太線:RORO船/細線:定期船
 
 一般廃棄物(資源ゴミ除く)の収集は行政直営から海上輸送と収集・運搬をセットにした民間委託へ、また、将来的にはRORO船から定期船利用に移行する。廃家電は現行通り定期船を利用する。漁業関連廃棄物や漂着ゴミ等は漁協が主導して、品目や輸送量に応じて自ら漁船輸送またはRORO船を手配する。使用済み自動車は年間10台程度だが、RORO船の空きスペースを活用して随時輸送する。
 
(2)短期的な方策
■業務委託内容の変更<高島・神集島共通>
 現在、一般廃棄物(資源ゴミを除く)の収集・運搬業務は行政直営で行われているが、海上輸送と収集・運搬業務の担い手が異なり、2者が同船に乗船する非効率な状態となっている。そこで、海上輸送と収集・運搬業をセットにした業務委託内容へ変更することで、人件費分のコスト削減が見込まれる。現在、チャーター船を運航している船社は、鎮西支所管内の3島の一般廃棄物収集を担っており、作業面での問題は無い。
 
■粗大ゴミの共同輸送<高島・神集島共通>
 旧唐津市の高島・神集島では、粗大ゴミは排出状況に応じて不定期の回収が行われている。申請窓口である唐津市で調整し、高島と神集島を同一日回収とすることで、行政コストの軽減が見込まれる。また、回収頻度が年数回と少ないため、チャーターではなく、別用途の輸送と合わせて積載率を向上させることで、一層のコスト削減が可能となる。
 島内所定の一時保管場所を設置することで、島内収集負担の軽減を図ることができる。
 
■RORO船空きスペース活用に向けた調整窓口の設置
 使用済み自動車は、廃棄物収集船の空きスペースを活用して随時輸送する。すでに輸送料金は確定しており、島民に対して輸送方法や離島対策等支援事業の活用などの情報を提供し、適切な排出を促すことが求められる。
 神集島ではこれまで隔年で共同輸送を行っており、今後も年間10台程度の発生が見込まれる。船社の負担を軽減し、島民の排出を促すために、島内に窓口を設け(駐在員を想定)、数台単位で取りまとめて輸送するよう、船社とのスケジュール調整やリサイクル手続き支援などを担うことが望ましいと考えられる。廃車手続き前の自動車であれば、島内を自走し、船のスケジュールに合わせて直前に渡船場まで持ち込んでもらう。
 なお、排出スケジュールに合わせてリサイクル手続き等を行うには、島民が事前にRORO船の入港予定を把握しておく必要があり、これは漁港管理者である市のホームページでの情報公開等が考えられる。
 
■廃棄物等の適正処理に向けた細やかな排出支援体制の構築
 神集島では、不法投棄の防止に向けて、駐在員をはじめ高齢者等の率先的な行動や、島内収集や手続き面での細やかな支援を積み重ねることで、島民の間に適切な廃棄物処理やリサイクルに対する理解が浸透してきた経緯がある。今後も、この地道な働きかけを継続し、島全体の意識統一を図っていくことが求められる。
 また、島民の高齢化が進む中で、リサイクルの阻害要因として、費用負担よりも島内運搬作業や手続き面での手間が負担となっている。排出者の家から船社に渡すまでの細やかな支援を行うことが有効である。このような高齢者の負担軽減を図るべく、駐在員だけでなく複数の島民の協力による支援体制が必要である。
 
(3)中長期的な方策
■定期航路による廃棄物等の輸送に向けた検討<高島・神集島共通>
 将来的には、廃棄物等の輸送コスト削減に向け、定期船による一般廃棄物の輸送を想定する。輸送手段の変更にあたり、具体的には、次回の定期船リプレースの機会に廃棄物等の輸送が可能な荷役設備等を配備し、小川島同様の輸送容器の準備や、島内収集体制の構築などを行う。
 これらの輸送手段の変更に際しては、定期船を運航する漁業協同組合や島民、行政等の関係者間で十分な協議を行う。また、本土側の一時保管場所を旅客の渡船場と別場所にするなどの検討が必要である。
 現在、一般廃棄物の収集体制は高島と共同であるため、高島との調整も必要である。


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