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(3)小川島
(1)将来的な静脈物流のイメージ
実線:定期的に排出/点線:不定期に排出
太線:RORO船/細線:定期船
 
 定期船で輸送する一般廃棄物として、不燃・資源ゴミも取り扱う。廃家電は現行通り定期船を利用する。漁業関連廃棄物や漂着ゴミ等も品目や輸送量に応じてRORO船を手配する。使用済み自動車は現行通りRORO船の空きスペースを活用して随時輸送する。
 
(2)短期的な方策
■定期航路の取扱品目の拡充
 すでに定期航路で可燃ゴミが輸送されているが、人力で運搬可能な不燃ゴミや資源ゴミも定期船で輸送する。輸送手段の変更に際しては、新たに島内収集体制が必要となる。また、合併により可燃ゴミの収集頻度は週3回から2回に減るため、1回あたりの輸送量の増加が見込まれている。現在は朝の1便でのみ輸送しているが、2便に分割して輸送する等の対応が必要と考えられる。
 
■粗大ゴミの共同輸送<小川島・加唐島・松島・馬渡島共通>
 粗大ゴミは定期的(2ヶ月に一度)にRORO船で回収が行われている。申請窓口である呼子支所と鎮西支所で調整し、鎮西支所管内の3島と同一日回収とすることで、行政コストの軽減が見込まれる。また、予め島内所定の一時保管場所を設置することで、島内収集の負担軽減を図ることができる。
 
■使用済み自動車の輸送体制の維持
 小川島では発生見込み台数が年間3〜5台となっており、すでに粗大ゴミ等の収集船の空きスペースを活用してコンスタントに輸送されている。このため現行通り、排出者が適宜船社に依頼する体制が適当と考えられる。
 
■分別収集や排出日以外の排出禁止などの排出ルールの徹底
 小川島では分別収集が徹底されておらず、収集日前に排出するなどの行為が見られ、廃棄物の収集にかかる負担軽減を図るため、排出時のルール遵守が求められる。まずは、勉強会等をこまめに開催して廃棄物処理やリサイクルのしくみを島民に理解してもらうとともに、島内パトロールや清掃委員などによる分別収集の徹底・指導を行う必要がある。
 
(3)中長期的な方策
 (2)で述べた方策を継続して行い、安定かつ効率的な廃棄物等の輸送体制を構築する。
 
(4)加唐島
(1)将来的な静脈物流のイメージ
実線:定期的に排出/点線:不定期に排出
太線:RORO船/細線:定期船
 
 一般廃棄物(粗大ゴミ除く)の海上輸送は将来的には定期船利用を見込む。廃家電は現行通り定期船を利用する。漁業関連廃棄物や漂着ゴミ等は漁協が主導して、品目や輸送量に応じて自ら漁船輸送またはRORO船を手配する。使用済み自動車や廃船はRORO船の空きスペースを活用して随時輸送する。
 
(2)短期的な方策
■粗大ゴミの共同輸送<小川島・加唐島・松島・馬渡島共通>
 粗大ゴミは定期的にRORO船で輸送されている。申請窓口である呼子支所と鎮西支所で調整し、小川島、松島、馬渡島と同一日に回収することで、行政コストの軽減が見込まれる。また、予め島内所定の一時保管場所を設置することで、島内収集の負担軽減を図ることができる。
 
■RORO船空きスペース活用に向けた調整窓口の設置
 加唐島ではこれまで数年に一度使用済み自動車の共同輸送を行っており、今後も年間5〜7台程度の発生が見込まれる。使用済み自動車は、粗大ゴミ等の収集船の空きスペースを活用して随時輸送する。すでに輸送料金は確定しており、今後は島民に対して輸送方法や離島対策等支援事業の活用などの情報を提供し、適切な排出を促すことが求められる。
 船社の負担を軽減し、島民の排出を促すために、島内に窓口を設け(駐在員を想定)、数台単位で取りまとめて輸送するよう、船社とのスケジュール調整やリサイクル手続き支援などを担うことが望ましいと考えられる。廃車手続き前の自動車であれば、島内を自走し、船のスケジュールに合わせて直前に渡船場まで持ち込んでもらう。
 なお、排出スケジュールに合わせてリサイクル手続き等を行うには、島民が事前にRORO船の入港予定を把握しておく必要があり、これは漁港管理者である市のホームページでの情報公開等が考えられる。
 
■漁港や海岸等の廃棄物の清掃活動の継続
 加唐島では廃棄物等の不法投棄は特にみられない。釣り客が放置したゴミ等が漁港周辺で問題となっており、島内のボランティア団体による清掃活動が週1回行われている。また、漂着ゴミ等を対象とした島内一斉回収が年5回、学校による回収、島民の自主的な回収が行われる等、積極的な清掃活動が実施されている。
 一方で、回収された廃棄物等は交付金等が活用して処理される。行政や処理事業者と連携を図り、処理コストの低減に向けた工夫等が求められる。
 
(3)中長期的な方策
■島民・航路事業者・行政による輸送体制の検討<加唐島・松島・馬渡島共通>
 廃棄物等の輸送コストの削減を図るには、定期船による一般廃棄物の輸送が考えられる。
 輸送手段の変更にあたっては、定期船リプレース時に併せて、廃棄物等の輸送が可能な荷役設備等を配備し、小川島同様の輸送容器の準備や、島内収集体制の構築などが必要となる。加唐島の定期船は2003年にリプレースしたところであり、しばらくは現状のままの輸送体制となるが、将来的な輸送方法や各者の役割分担について、松島や馬渡島の関係者、航路事業者、行政とで十分な協議を行うことが重要である。特に、加唐島航路は国庫補助航路であることから、国や県の関係者との十分な協議が必要である。
 
(5)松島
(1)将来的な静脈物流のイメージ
実線:定期的に排出/点線:不定期に排出
太線:RORO船/細線:定期船
 
 将来的に一般廃棄物の輸送を加唐島や馬渡島で定期船に移行した場合には、人口が小規模で定期船が海上タクシーである松島では、向島と同様に可燃ゴミの多くは島内で処分し、リサイクル財のみ定期船輸送とする体制への移行を見込む。漁業関連廃棄物や漂着ゴミ等は漁協が主導して、加唐島と共同で漁船またはRORO船で輸送する。
 
(2)短期的な方策
■粗大ゴミの共同輸送<小川島・加唐島・松島・馬渡島共通>
 粗大ゴミは定期的にRORO船で輸送されている。申請窓口である呼子支所と鎮西支所で調整し、小川島、加唐島、馬渡島と同一日に回収することで、行政コストの軽減が見込まれる。また、予め島内所定の一時保管場所を設置することで、島内収集の負担軽減を図ることができる。
 
(3)中長期的な方策
■島民・航路事業者・行政による輸送体制の検討<加唐島・松島・馬渡島共通>
 廃棄物等の輸送コストの削減を図るには、定期船による一般廃棄物の輸送が考えられる。しかし、松島の場合は定期船が海上タクシーであり、加唐島や馬渡島のように船舶に設備を整備することは困難と考えられる。そのため、可燃ゴミは向島同様に島内で処理し、不燃ゴミは月1回程度で訪島するRORO船で輸送し、資源ゴミのみ定期船で島民自ら輸送することが最適と考えられる。
 輸送手段の変更に際しては、加唐島や馬渡島の輸送体制と連動する必要がある。加唐島の定期船は2003年にリプレースしたところであり、しばらくは現状のままの輸送体制となるが、将来的な輸送方法や各者の役割分担について、加唐島や馬渡島の関係者、航路事業者、行政とで十分な協議を行うことが重要である。


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