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(3)廃棄物・リサイクル財の収集・運搬・保管に関する問題点
a)廃棄物・リサイクル財の受入に関する問題点
 玄海諸島からの廃棄物やリサイクル財の受入に際して問題となる事柄について、回答者の大半は受入実績がないため無回答となっているが、回答のあった4事業者からは「廃棄物処理やリサイクル処理に対する島民の認識が薄い」ことや、「発生量が少ない」ことなどがあげられている。
 
図5-5-1 廃棄物等の受入に関する問題点(複数回答、N=4)
 
【その他の具体的な内容】
・自社の処理施設がほぼ計画数量(満杯)になっている
 
b)廃棄物・リサイクル財の収集・運搬・保管等に関する問題点
 玄海諸島からの廃棄物やリサイクル財の収集・運搬・保管の問題点として、「海上運賃が高い」点などが指摘されている。
 一方、一時保管による景観上の問題や、島側/本土側の港湾利用上の制約、船舶の欠航、輸送容器の手配などについては選択肢としてあげたが、特に指摘はなされなかった。
 
図5-5-2  廃棄物等の収集・運搬・保管等に関する問題点(複数回答、N=2)
 
(4)廃棄物・リサイクル財の効率的な輸送に向けた取り組み
a)島民や事業者による取り組み
 玄海諸島からの廃棄物やリサイクル財の輸送(海上輸送、陸送含む)の効率化に向けて島民や事業者が取り組むことが有効と考えられるものとしては、「島内からの廃棄物等の排出をとりまとめて1回あたりの輸送量を増やし、貨物船をチャーターする」や、「本土側(または島側)の港湾周辺に廃棄物等を保管可能なスペースを確保する」が各5件で最も多い。これらに次いで、「海運事業者が産業廃棄物収集・運搬業許可を取得する」が4件あげられている。
 
図5-5-3  効率的な輸送に向けた島民や事業者の取り組み(複数回答、N=8)
 
b)行政による取り組み
 玄海諸島からの廃棄物やリサイクル財の輸送の効率化に向けて行政が取り組むことが有効と考えられるものとしては、「島民の廃棄物処理やリサイクルに対する理解の促進支援」が6件で最も多くあげられている。そのほか、「廃棄物やリサイクル財の収集・運搬にかかる情報を集約し、関係者の調整を行う」や、「海上輸送運賃への助成(離島支援対策事業の拡大)」、「資源ゴミの分別回収の促進」も各3件あげられている。
 
図5-5-4 効率的な輸送に向けた行政の取り組み(複数回答、N=7)
 
(5)今後の方向性等について
a)今後増加が見込まれる廃棄物・リサイクル財
 今後、玄海諸島で排出量が増えると見込まれる廃棄物・リサイクル財として、「使用済自動車」、「廃家電」、「廃プラスチック」、「建設廃材」の4品目が指摘されている。
 
b)玄海諸島における静脈物流全般に対する意見・要望等
 島内の引取・引出困難な場所に廃棄物が放置されるケースが多く、処理費用や手間が莫大になるためそのまま放置される場合が多いことから、島内に廃棄物等の保管場所を設けてほしいとの要望があげられている。
 また、玄海諸島からの海上輸送を行う事業者や港湾利用に関して、行政から情報提供や支援等が必要との意見もあげられている。
 
<アンケート意見>
・使用済自動車等を含めて、使えなくなったり動かなくなってそのまま放置されたり、引取、引出し困難な場所に置いてあったりする場合が増えて、産業廃棄物業者等で処理する場合でも費用や手間等が莫大になるのでそのまま放置する場合が多いかと思います。このため、島内で廃棄物等を保管する場所を設けて頂きたいです。引出し、引取り困難な場所等に廃棄物等を絶対に置かないようにして頂きたいです。
・玄海諸島から引取りの依頼があった場合に海上輸送を行う海運業者が分かりませんので、使用済自動車や廃棄物等の運搬を行う海運業者の情報や港湾等に一時保管を行う場合の許可等が全く分かりません。業務が円滑に行えるように自治体等の支援、情報が必要だと思います。


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