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(2)自動車リサイクル事業者
(1)自動車リサイクル業に関する登録・許可取得状況
 アンケートに回答のあった事業者の自動車リサイクル業の登録・許可取得状況は、引取業の登録が20社、フロン回収業の登録が9社、解体業の許可が3社である。破砕業の許可については、1社のみ取得予定としている。
 
表5-5-4  自動車リサイクル業に関する登録・許可取得状況(単数回答・N=22)
登録した 登録予定 登録しない 無回答
引取業(登録) 20 0 2 0
フロン回収業(登録) 9 0 10 3
取得した 取得予定 取得しない 無回答
解体業(許可) 3 0 16 3
破砕業(許可) 0 1 18 3
 
(2)玄海諸島からの使用済自動車の取扱状況
a)使用済自動車の取扱実績
 回答のあった事業者のうち、玄海諸島における使用済自動車の取扱実績(2005〜2006年度)があるのは1社のみで、車種は軽自動車と乗用車が1台ずつであった。引取先はいずれも馬渡島である。
 
表5-5-5 玄海諸島からの使用済自動車の取扱実績(2005〜2006年度)
注)2006年度の実績は4月〜8月分。
 
b)玄海諸島への新車・中古車の納車実績
 2005〜2006年度において玄海諸島への新車・中古車の納入実績があると回答したのは2社で、1社は高島に1台、神集島に2台納車している。もう1社は、馬渡島に2台納車している。
 
表5-5-6 玄海諸島への新車・中古車の納入実績(2005〜2006年度)
高島 神集島 小川島 加唐島 松島 馬渡島 向島
1 2 0 0 0 2 0
 
(3)使用済自動車の輸送・保管等に関する問題点
a)使用済自動車の収集・運搬・保管等に関する問題点
 玄海諸島からの使用済自動車の収集・運搬・保管等に関する問題点として、「本土へ輸送する前に、島内で使用済自動車を一時保管できるスペースが少ない」、「海上運賃が高い」、「希望する船舶の手配が困難である」の3点が指摘されている。
 
b)自動車リサイクルに関連する問題点
 玄海諸島における自動車リサイクルに関連する問題点として、「使用済自動車の退蔵」、「島民の自動車リサイクルに対する認識が薄い」の2点があげられている。なお、使用済自動車の退蔵場所は、「引取り困難な状況、状態、場所」に多いとのことである。
 
(4)使用済自動車の効率的な輸送に向けた取り組み
a)島民や事業者による取り組み
 玄海諸島からの使用済自動車の輸送(海上輸送、陸送含む)の効率化に向けて島民や事業者が取り組むことが有効と考えられるものとして、「本土側(または島側)の港湾周辺に廃棄物等を保管可能なスペースを確保する」が最も多くあげられている。
 
図5-5-5  効率的な輸送に向けた島民や事業者の取り組み(複数回答、N=7)
 
b)行政による取り組み
 玄海諸島からの使用済自動車の輸送の効率化に向けて行政が取り組むことが有効と考えられるものとして、産業廃棄物処理事業者の意向と同様に、「島民の廃棄物処理やリサイクルに対する理解の促進支援」が最も多くあげられている。
 
図5-5-6  効率的な輸送に向けた行政による取り組み(複数回答、N=7)
 
(5)今後の方向性等について
a)使用済自動車の排出量の見込み
 使用済自動車の今後の排出量の見込みは「変わらない」が5件で最も多く、「増加する」と「減少する」が1件ずつとなっている。増加の理由については、島内の自動車利用が増加し使用済自動車も増加するため、減少の理由については人口が少なくなり車の登録を本土にするためとされている。
 
図5-5-7 使用済自動車の排出量の見込み(複数回答、N=7)
 
b)離島支援対策事業の活用について
 離島支援対策事業の今後の活用意向については、「今後も玄海諸島から使用済自動車を引き取る予定はない」との回答が最も多く、「使用済自動車を引き取る際には、離島支援対策事業を活用する」は1件のみである。
 
図5-5-8 使用済自動車の排出量の見込み(単数回答、N=11)
 
【その他の具体的な内容】
・使用者が海上輸送を済ませるので、対策を活用していない。
 
c)玄海諸島における静脈物流全般に対する意見、要望等
 島内の引取・引出困難な場所に使用済自動車が放置されるケースが多く、処理費用や手間が莫大になるためそのまま放置される場合が多いことから、島内もしくは本土側に使用済自動車等の保管場所を設けてほしいとの要望があげられている。
 また、玄海諸島からの海上輸送を行う事業者について、行政からの情報提供が必要との意見もあげられている。
 
<アンケート意見>
・島内で使用していた自動車が動かなくなったり、乗れなくなった自動車がそのまま放置されたり、引取りが困難な場所等に置いてある場合、使用済自動車の搬出に時間、費用、手間等が莫大にかかりますので、そのまま使用済自動車を放置される場合が増加していると思います。又は島内の複数の場所に使用済自動車が置いている場合で引取りを行う場合でも引取れる台数と時間(海上輸送も含む)が限られて使用済自動車の処理(輸送)が円滑に出来ないと思います。このため、島内側や本土側での廃棄物、使用済自動車等の保管場所の確保を行ってもらいたいです。
・離島等から廃棄物、使用済自動車等の引取り等の依頼が有る時に海上輸送を行う海運業者の情報を教えて頂きたいです。
・廃棄物、使用済自動車等を離島から引取る場合、自治体や島民の方々に協力や支援等が必要だと思います。


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