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玄海諸島における静脈物流ネットワークのあり方に関する調査研究報告書

 事業名 玄海諸島における静脈物流ネットワークのあり方に関する調査研究
 団体名 九州運輸振興センター  


3. 船社の意向
(1)現状の問題点
(1)港湾利用・海上輸送について
 高島や神集島の漁港および湊港の水深が浅いために、廃棄物の収集運搬を行うRORO船の着岸のタイミングは、干満の潮位をみながら調整が必要となる。また、定期船で可燃ゴミを輸送している小川島航路では、呼子港側の渡船場前のスペースが狭く、収集日には混雑が問題となり、夏場は臭気発生が指摘されている。(船内は空気清浄機が設置されており、臭気に関する指摘は無い。)
 一部の離島では、廃棄物収集船の漁港利用について、島民の協力が得にくい場面もみられることから、住民理解の促進と行政による仲介が求められている。
 
<ヒアリング意見>
○高島・神集島の漁港および湊港の水深が浅い
・港を利用していて困ることは、岸壁が狭く、浅いことである。湊港や高島の港は漁港内の水深が浅く、潮の干満を利用して入港するようにしているので、使いづらい。(A社)
・(神集島)島の岸壁水深が浅く、干満の潮位をみながら、RORO船をつけるタイミングを調整している。離島の港湾整備を推進してほしい。発着場所は、一般の岸壁で車止めがある場所なら可能である。(専用岸壁であれば、潮位が変化しても、車止めが壊されないので望ましい。専用岸壁がある島は小川島のみである。)(B社)
 
○呼子港のスペース不足
・呼子港の渡船場前スペースが狭く、ゴミ置き場と人の出入りが同じ場所となってしまう。可燃ゴミの特に生ゴミは、どうしても汁がこぼれてしまい、特に夏場は住民から臭いと苦情が出ている。不衛生でもある。(C社)
 
○廃棄物収集船の港湾利用にかかる住民協力
・「港は漁師が使うもの」という考えがあり、漁師や漁業船とのトラブルが発生する。当社が着く専用スペースとして認識してもらえず、以前(ロープが張られる等の)トラブルとなったこともある。当社も港の共同利用者として漁民にきちんと認識してもらわないと、ゴミの回収にも支障が出る。行政が間に入って指導してほしい。現状は、島民の認識不足がまだまだ多いと感じる。(A社)
 
<呼子港小川島定期航路渡船場>
 
<廃棄物輸送に使用されるRORO船>
 
(2)廃棄物等の収集・運搬について
 一般廃棄物等の収集・運搬に関しては、特に可燃ゴミの一時保管時の臭気発生防止が課題となっている。そのためには、事業者間で連携して、離島から清掃センターまでの輸送の間の一時保管時間を削減するとともに、島民には排出日の徹底や分別徹底が求められる。
 また、チャーター船の復路活用については、現場で島民に依頼されたりするケースもみられ、島民側にも契約の遵守が求められるものの、船社にとって輸送の集約化は収益減少につながる可能性があることが指摘されている。事前に島側で排出日や料金等が決定されれば、空きスペース等を活用しての輸送も可能となる。
 このほか、輸送燃料高騰に伴うコスト増が船社にとって課題となっている。
 
<ヒアリング意見>
○呼子側事業者との連携
・呼子港に到着し船から渡船場におろしたゴミ袋をすぐに収集してほしい。渡船場で放置する時間が発生するために、臭気が発生したりする。次の便の出発時になっても、収集に来てくれないケースがあり、ゴミ袋だけ港に置いて船は出発せざるを得ない。(C社)
 
○ゴミ排出日の遵守および分別徹底
・可燃ゴミを出す際に、生ゴミの水分を切ってから出してくれると、汁漏れなどが発生しにくくなる。また、渡船場に置いている廃棄物コンテナに、ゴミ収集日ではない日に出しに来る人がいる。夏場は腐りやすく、臭気を発生する原因となる。(C社)
島民のゴミ分別の徹底については、行政に指導してもらうしかない。業者から島民に言うことは難しい。(A社)
 
○チャーター船の復路活用は煩雑で非効率。事前に島で取りまとめ、料金決定してもらえるなら輸送可能
・当社にしてみれば、島への建材の輸送と、島からの廃棄物の輸送とで2回チャーターでいく方が良いので、島側に廃棄物等の輸送を持ちかけることはない。チャーター船の復路活用をやり出すと、契約外の車等まで便乗しようとするので収集がつかない。(B社)
・誰かが、計画的に収集・運搬を集約してくれるなら良い。往路のチャーター契約との関係から調整は難しい。行政や島内でとりまとめて、料金を予め決定してくれれば、輸送する。(チャーター船が着いた)現場でその場で乗せてと言われても困る。誰がスケジュールや料金設定の取りまとめを行うかが焦点である。(B社)
 
○ゴミ置き場への窓設置
・島内のゴミ置き場に窓を設置してほしい。(A社)
 
○燃料費高騰の影響
・油燃料のコストが高騰している。しかし、住民からの声も考えると、運賃値上げは容易にはできない。(C社)
 
(2)今後の方向性(行政への要望)
 現在、一般廃棄物の収集は旧市町村単位で行われているが、将来的に収集頻度の統一が予定されており、定期航路事業者からは、1回あたりの輸送量が現状でぎりぎりであり、1回で輸送しきれない点が懸念されている。また、定期航路の収益を確保するために可燃ゴミだけでなく、不燃ゴミやリサイクル財の輸送も担っていきたいとの要望がある。
 一方、貨物船社からは、現在、行政直営で行われている収集業務について、民間事業者へのアウトソーシングを要望する声もある。さらに、離島内の不法投棄の防止への行政指導や、不法投棄の回収(委託費の発生)などが求められている。
 このほか、海運や保健衛生等にかかる規制が複雑なため、船社にとって手続き等が分かりにくいという点が課題としてあげられている。
 
<ヒアリング意見>
○輸送頻度の減少による1回あたりの輸送量拡大を懸念
・現在、可燃ゴミは週3回の回収だが、今後週2回になった場合は、住民が困るだけでなく、当航路としても1回あたりの輸送量が増えることになり、現状ぎりぎりの容量であることから1回で輸送できなくなるおそれがある。(C社)
 
○取扱品目の拡充(不燃ゴミやリサイクル財の輸送委託を要望)
・当航路は生活航路であり、島民の人口減少等や観光客の増加等も見込めない状況である。通常の乗船運賃だけでは、今後の増収の見込みはない。そのため、カンやビン、不燃ゴミの輸送も扱い、貨物量を増やしていきたい。当社が扱うことができれば、これらの廃棄物等も週1回の頻度で輸送可能である。(C社)
 
○行政業務のアウトソーシング化を要望
・旧鎮西町は年間委託契約なので、予定日に回収ができなければ、日をずらして回収に行く。一方、旧唐津市はゴミの回収に市の職員が車に乗っていくため、予定通りの日に回収できなかった場合に、他の日に行くということができず、島の人も困る。(A社)
・高島、神集島は行政が直営で廃棄物輸送を行っている。効率的にできるのではないか。(B社)
 
○不法投棄の回収・防止
・島内に不法投棄されているものについて、回収および輸送の予算を組んでくれれば、業者が行うことができる。行政から補助を出して島の美化につとめてほしい。海洋への不法投棄がまだまだある。また、住民に対して不法投棄をしないよう呼びかけるのは行政にしかできない役割である。(A社)
 
○海運、陸運、保健衛生上の規制の連携
・一連のゴミの収集・運搬・輸送において、海運、陸運、保健衛生上の規制がそれぞれかかってくる。行政関係の様々な規制が別個に設けられており、横の連携がとれていないため、業者としては非常に戸惑う。(A社)


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